西村優菜、米から帰国即参戦も首位発進 メジャー女王流メンタル術実践8バーディー


西村優菜は10番でティーショットを放つ(カメラ・岩田 大補)

西村優菜は10番でティーショットを放つ(カメラ・岩田 大補)

◆女子プロゴルフツアー 宮里藍サントリーレディス 第1日(9日、兵庫・六甲国際GC=6527ヤード、パー72)

 ツアー4勝の西村優菜(21)=スターツ=が8バーディー、1ボギーの65で回り、7アンダーで首位発進を決めた。前週の全米女子オープンでは悔しい予選落ちも、現地で吸収した“メジャー女王流”のメンタルコントロールで好スコアを捻出。大阪府出身のミレニアム世代が、地元関西での国内復帰戦でいきなり存在感を示した。ツアー初優勝を目指す林菜乃子(25)=ユピテル=がトップタイ。2週連続優勝を狙う昨季の賞金女王、稲見萌寧(22)=Rakuten=は3差4位につけた。

 21歳の笑顔は渡米前より、まばゆかった。西村は7日夜帰国の弾丸参戦で、昨年11月の大王製紙エリエールレディス以来の65をマーク。「ギャラリーの方がたくさんいてバーディーを取る度に盛り上がってくれたので、すごくいい気分で回れた」と3年ぶりの有観客開催で注がれた地元の声援に感謝。最多タイの8バーディーに、海外で得た収穫が表れた。

 2度目の海外メジャーでも予選の壁を破れず「気持ちの整理が難しかった」とこぼしたが、手ぶらでは帰らなかった。海外の強豪に感じたのが「神経質になっていない。楽しんでいる」。メジャー2勝目を挙げたミンジ・リー(豪州)も、その一人。「最終日に短いパターを何回も外していたけど、気にしていないように見えたのが印象的だった」

 目に焼き付けたイメージを実践した。後半の2番でわずか1メートルのバーディーパットを外したが「18ホールあればミスはある」と切り替えた。直後に3メートル、1メートルを決め連続バーディー。続く5番でボギーも、6番からは3連続で沈め、スコアを伸ばした。

 精神論だけでなく、短期間でも技術向上の努力を惜しまなかった。日曜まで練習場で居残り練習。「コースと同じセッティング。難しいところで練習できるのはありがたいし、せっかく行ったんだからやりたい」。この日見せた、絶妙な縦距離の感覚は「今週の方がイージーに感じた」成果だった。

 1位発進は、昨年9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン以来。当時は首位を譲らず“完全V”で4勝目を挙げた。今季初勝利もかかる今大会は優勝者と2位、さらに大会終了時点の賞金ランク上位3人に、西村が次の目標とする全英女子オープン(8月)出場権が与えられる。そんなデータも報奨も、今は頭にない。「すごく、楽しみたい気持ちが大きい。明日も楽しんでラウンドしたい」と純粋に笑った。(宮崎 尚行)

 藤田(宮里藍さんと同学年の36歳が1差3位の好スタート)「同級生が大会アンバサダー。何でしょう、この違いは。ジャケット着て格好いいなと思った」

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