
トーナメントコースレコードとなる、11バーディー・1ボギーで「61」のスコアを出した細野勇策 (カメラ・馬場 秀則)
◆男子プロゴルフツアー開幕戦▽東建ホームメイトカップ 第2日(31日、三重・東建多度CC名古屋=7062ヤード、パー71)
3位で出たレフティーの細野勇策(ロピア)が11バーディー、1ボギーで大会コースレコードの61をマーク。通算16アンダーで、ホールアウト時点で単独首位に立った。「淡々と1ホール1ホールをこなしていこうという意識だったが、終わってみたらすごいことになっていた」。ツアー本格参戦1年目の20歳は、目を丸くした。
1番でグリーン手前からチップインバーディーを奪い、勢いに乗った。2番は120ヤードからピン上1メートル半につけ、5番では4メートルを沈めるなど、ショットとパットでスコアを伸ばした。「ティーショットはずっとよかった。セカンドとパッティングがかみあった」。13番パー3では、この日2つ目のチップイン。11個のバーディーを量産した。
心臓の病気「心室中隔欠損」と「心房中隔欠損」が生まれてすぐに見つかり、生後2か月で手術を受けた。激しい運動は制限され、小学生の頃は水泳も医師の許可が必要だった。ゴルフに出会ったのは小学1年生のとき。父・誠一の影響だった。「父が右利きに直そうとしたけど、自分がいやがったと聞いている」。左利きで、ゴルフも最初から左打ちだった。
男子ゴルフが開幕した今週、プロ野球セリーグも31日に新しいシーズンが幕を開ける。細野はヤクルトの村上宗隆内野手のファン。顔も似ている。「よく言われます」と照れながらも「勝負強さにあこがれる。なかなか難しいことだけだけど、これから経験を積んで、僕もそういうことができるようになれればいいなと思う」と話した。
昨年4月のISPSハンダ欧州・日本トーナメントゴルフで2日目に62をマークし、16位と健闘した。プロ4戦目の今大会は、絶好の位置で週末を迎えることになる。「淡々と一つ一つやっていくだけ。まだ明日から2日あるので、傲慢にならずに一つ一つやっていきたい」。羽川豊の1991年3月ダイドードリンコ静岡オープン以来32年ぶりの日本勢レフティー優勝へ、残り36ホールも一打に集中する。