初優勝を喜ぶ神谷そら(カメラ・今西 淳)
◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 最終日（２３日、静岡・川奈ホテルＧＣ富士Ｃ＝６４５７ヤード、パー７１）
首位から出た神谷そら（フリー）が１イーグル、２バーディー、６ボギーの７３で二つスコアを落としたが、通算４アンダーで逃げ切った。一時は首位から陥落したが、再逆転に成功し、初優勝。昨年のプロテストをトップ通過した２０歳は、ボギーもたたくが、イーグルも奪う粗削りなゴルフが魅力。難関の１７番パー３では見事なバーディーを奪い、優勝を引き寄せた。
「まだ、優勝の実感はありません。ホッとしています。これまで支えてくれた方や家族に感謝します」と、言葉を詰まらせながら話した。
４番パー５で残り２６０ヤードの第２打を３ウッドでピン手前３メートルにつけた。豪打を生かして、イーグルを奪ったが、直後の５番パー４では大ピンチに。第１打を大きく右に曲げて林の中へ。５番に戻せず「４番を逆走しました」。林が開けていた４番のティーグラウンド方向にボールを出し、３オン２パットのボギーで切り抜けた。結果的に縁起の良い４番を２回もプレー。冷静な判断も勝利の一因となった。
アマチュア時代には、決して忘れられない失敗をしたことがある。林に入ったボールを打ったが、同じボールがＯＢエリアで見つかったことで、結果的に失格となった。「どっちが正しいボールか分かりませんでした。その後、ひとつずつボールの区別をできるようにマークしています」と語った。失敗を反省し、同じミスをしないように心がけている。
今週の１８日、２０歳になったばかり。「誕生日に少しだけお酒を飲みました」と笑った。ドライバー平均飛距離ランク２位（２５５ヤード）のパワーを武器に神谷そらが、プロ８戦目でツアーのトップに立った。
１打差の２位は岩井千怜（ホンダ）、安田祐香（ＮＥＣ）、荒川怜郁（れいか、橋本総業ホールディングス）の３人の大混戦だった。
◆神谷 そら（かみや・そら）２００３年４月１８日、岐阜・土岐市生まれ。２０歳。６歳からゴルフを始める。２１年、麗沢瑞浪高３年時のプロテストは不合格となったが、２２年に同高卒業後、２度目の最終プロテストを４ラウンドで１０アンダーをマークしてトップ合格を果たした。目標とする選手は、宮里藍さん、テレサ・ルー。趣味は音楽鑑賞。１６７センチ、６０キロ。