
渋野日向子
◆米女子プロゴルフツアー メジャー第4戦 エビアン選手権 第3日(29日、フランス・エビアンリゾートGC=6527ヤード、パー71)
【エビアン(フランス)29日=高木恵】首位と9打差の39位で出た渋野日向子(24)=サントリー=は3バーディー、1ボギーの69で、通算イーブンパーの30位。今季メジャーで初の60台で回った。メジャー初制覇を狙う畑岡奈紗(24)=アビームコンサルティング=は4位から68とスコアを伸ばし、通算8アンダーの3差2位に浮上。1差2位から出た笹生優花(22)=フリー=は71で5差5位へ後退。セリーヌ・ブティエ(フランス)が、11アンダーの首位でメジャー初Vに王手。
日米通じて6戦ぶりの決勝ラウンド(R)で、渋野らしいプレーが光った。10番スタートのこの日は、16番パー3で最初のバーディー。パー5の18番では、2オンを狙って奥のバンカーにこぼすも、第3打を右手前1メートルに寄せ、前半で2つ伸ばした。1つ落とした直後の3番でも、バンカーからの第2打をグリーン左に落とし、傾斜を使ってピンの真横にピタリ。バウンスバックに笑みがこぼれた。「粘り強くパーセーブできたのが、伸ばせた結果につながった。まあまあかな」と、明るい表情で振り返った。
唯一のボギーとなった2番パー3は、3日間落としている苦手なホール。「どうやって寄せたらいいかわからない。嫌じゃわ」と岡山弁も交えて笑い、精神的な余裕も見られた。フェアウェーキープ率77%、パーオン率67%、28パット。ショット、グリーン上がかみ合って60台でのラウンドは実に米ツアー、ロッテ選手権の初日(4月12日)以来。今季のメジャーでは初となった。スコアを伸ばし、手応えをつかんでいるようにも見えるが、「もう少しいけたところもあったかな、という欲はちょっと思っていた」と満足はしていない。
予選2日間は我慢のゴルフで4月の米ツアー、JMイーグルLA選手権以来となる決勝R進出。28日には4日間のプレーが決まり、「めっちゃうれしい、超うれしい。2か月ぶりくらいなので。なげーわ(笑い)」と自らにツッコミを入れていた。その第2Rではカットラインを意識しながらも、13番パー3でグリーン手前からチップインバーディーを決め、「気持ち的に楽になった」。緊張感に包まれたラウンドで、笑顔になった瞬間だった。
右肩上がりに状態を上げて最終日に臨む。「今いる位置よりは上で終われるように頑張りたい」。今季ポイントランク71位。米女子ツアーのシード確保へ正念場だ。復調気配の渋野はポイントの大きなメジャーで、1つでも上の順位を目指す。
◆エビアン選手権の日本人成績 レマン湖に近い風光明媚(めいび)なコースで、メジャー昇格前の1997年に小林浩美、2009年&11年に宮里藍さんが優勝。13年のメジャー昇格後は16年に野村敏京が通算9アンダーの8位、17年に上原彩子が4アンダーの10位、21年に古江彩佳が15アンダーの4位、22年に西郷真央が15アンダーの3位に入っている。