「ゴルフ天才少女」須藤弥勒が全日本選手権で3位の好スタート 「優勝賞金100万円をとりたい!」


世界最大級のグリーンを誇る新宝塚CCで開催されているプロパッティングツアー全日本選手権の初日で3位スタートを切った須藤弥勒(提供写真)

世界最大級のグリーンを誇る新宝塚CCで開催されているプロパッティングツアー全日本選手権の初日で3位スタートを切った須藤弥勒(提供写真)

 賞金総額300万円(優勝100万円)をかけたプロパッティングツアー最終戦の全日本選手権の第1日が18日、兵庫・新宝塚CCで行われ、推定総額3億6000万円のスポンサー契約を結ぶ「ゴルフ天才少女」須藤弥勒(12)=ゴルフ5/太陽自動車=は、予選の2ラウンドを首位と3打差の2アンダーで回り、3位と好スタートを切った。「優勝賞金の100万円を取りたい!」と逆転優勝に向けて意欲を示した。

 パッティングツアーは、その名の通り、パットだけのグリーン上の勝負。グリーン上に18ホール(パー36)が設定される。最終戦の全日本選手権は第1日(18日)に予選の第1、2ラウンドを開催。最終日(19日)は予選の第3ラウンドを行い、計3ラウンド(54ホール)の上位10人が5ホールの決勝の第1ラウンドに進出する。さらに上位5人が決勝の最終ラウンドを行い、予選を含めた全ホールの合計スコアで王者を決める。

 今季ツアーで2勝を挙げ、ポイントランク5位で全日本選手権に進出した弥勒は、初日の予選2ラウンドを6バーディー、4ボギーの70をマーク。首位の廣田直人と3打差3位の好発進となった。強風と寒さに見舞われたタフ一日を乗り切った弥勒は「今日は本当にきつかったです。寒かったし、風もピンを立てられないほど強かった。パットのボールにも影響がありました」と振り返った。帯同している母・みゆきさんも「風が強くて、寒い中、よく頑張った、と思います。得意な攻めだけではなく、耐えることを覚えて、収穫のある一日になりました」と娘の健闘をたたえた。

 今大会の会場となっている新宝塚CCの練習グリーンは約3000平方メートルで世界最大級を誇る。2017年には世界ギネス記録にも認定された広さで、しかも、5段グリーンで構成されている。19日の決勝ラウンドでは最長100メートルの超ロングパット勝負も設定される見込みだ。

 昨年1月にアマ資格の規定改定によってアマ選手も無制限でスポンサー収入を得ることが可能になり、抜群の存在感を持つ弥勒にはオファーが殺到。これまでに所属契約のゴルフ5をはじめ、12社・団体とスポンサー契約した。今月には弥勒の自宅がある群馬・太田市に本社を置く太陽自動車と所属契約を締結。ゴルフ5と所属契約も続行するため異例のダブル所属となった。関係者によると、全てのスポンサーの契約料を合計すると3億6000万円に上る。「スポンサー料は弥勒のゴルフのために使う」という父・憲一さんの方針で、自宅の屋内ガレージには、1000万円以上を投資し、弾道測定器2台、多方面から撮影するカメラ5台、弾道などを即時に解析できる最新鋭の機器が設置された。

 昨年のアマ規定の改定によって、ドライビングコンテストやパッティング大会などでアマチュアは上限なしで賞金を得ることも可能になった。弥勒は両親との約束で、プロパッティングツアーで獲得した賞金は自由に使えることになっている。

 首位と3打差3位で最終日に臨む弥勒は「ここまできたら、トップとの差を縮めて『日本一のパット名人』の称号と、優勝賞金100万円を取りたいです」と力強く話す。ビッグタイトルとビッグマネーを狙って勝負する。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。12歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17年に大会史上最年少で世界ジュニアに優勝。18年も連覇した。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。昨年8月に横峯良郎氏に弟子入り。昨年、アマチュア資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで所属契約のゴルフ5をはじめ、13社・団体とスポンサー契約した。ピアノも得意で今年7月の第24回北関東ピアノコンクールのプレコンペティション部門(ソロ)小学校6年生の部で銀賞を受賞。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。150センチ、50キロ。

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