臼井麗香「私のなかでグリーンは舞台」 宝塚に憧れた25歳が涙のツアー初優勝


初優勝した臼井麗香は優勝トロフィーを手に笑顔(カメラ・高木恵)

初優勝した臼井麗香は優勝トロフィーを手に笑顔(カメラ・高木恵)

◆女子プロゴルフツアー アクサレディス宮崎 最終日(24日、宮崎・UMKCC=6545ヤード、パー72)

 最終日は降雨によるコースコンディション不良のため、午前10時50分に中止が決定。36ホールの短縮競技となり、2日目を終えて単独首位に立っていた「れいちぇる」こと臼井麗香(フリー)が通算13アンダーで初優勝。1998年度生まれの「黄金世代」では14人目の優勝者となった。「この優勝が奇跡と言われないように、2勝目を目指して日々努力していく」と誓った。

 午前8時50分に最終組でスタート予定だったが、8時17分に中断に入った。ロッカールームで、気持ちを切らさないように静かに再開に備えた。10時50分にアナウンスが流れて優勝が決まると、涙があふれた。「すごくうれしいのが一番なんですけど、まだ夢を見ているみたい」と喜びの余韻に浸った。

 「見た目がスポーツマンらしくないので、ファンの人にも、2日間だからまぐれだと思われるかもしれない。2勝目を1勝目と思ってやっていきたい」。派手な見た目から誤解されやすく、心ない言葉が届くことも多い。「毎日言われます。SNSは書きやすいから、そういうコメントはけっこうあります」と笑顔で明かしつつ「アンチコメントであろうと、見てもらえることはうれしいこと。頑張ろうと思う」。ポジティブ思考で力に変換している。

 スイング改造に取り組み迎えた2022年を「一番苦しかった」と振り返った。思うようなショットが打てず、飛距離は落ちた。練習ラウンドから「やめたい」と泣きながらプレーをした。あの日の涙は無駄ではなかった。「30歳まではゴルフをやるって決めている。そこまでは100パーセント努力したい。諦めるということはしたくなかった」。

 髪の毛を束ねるリボンがトレードマークだ。ゴルフブランド「チェルクラッシー」を自らプロデュース。ファッションにもこだわり続けた。「黄金世代で、小さい頃からたくさんすごい選手がいた。自分の個性を出したかった」。中学2年生のときに友人につけられた「れいちぇる」が今もニックネームで、本人もお気に入りだ。

 幼い頃は宝塚歌劇団を目指していた。初優勝は“タカラジェンヌ風”をイメージしていたが、そうはいかなかったことが少し心残りではある。「宝塚の舞台みたいな、登壇みたいな感じで(18番)グリーンに上っていくのを勝手に想像していた。私のなかでグリーンは舞台っていう感じ」。次に迎えるその瞬間を思い描きながら、精進を続ける。

 ▼黄金世代の優勝者(※は米ツアーを含む)

 ・畑岡奈紗  11勝※

 ・小祝さくら 9勝

 ・勝みなみ  8勝

 ・渋野日向子 7勝※

 ・原英莉花  5勝

 ・大里桃子  2勝

 ・新垣比菜  1勝

 ・河本結   1勝

 ・浅井咲希  1勝

 ・植竹希望  1勝

 ・高橋彩華  1勝

 ・吉本ひかる 1勝

 ・小滝水音  1勝

 ・臼井麗香  1勝

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