
18番でバーディーを決めガッツポーズする生源寺龍憲(カメラ・谷口 健二)
◆男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ 第2日(3日、愛知・名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70)
17位からスタートした25歳の生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり、エー・エム・エス)が5連続を含む10バーディー、1ボギーの61で回り、通算10アンダーで首位に浮上した。ツアー初優勝を目指し、残り2日間を戦う。
2打差の2位に、河本力(大和証券)、小木曽喬(フロンティアの介護)、ニュージーランドのマイケル・ヘンドリー(アクシネット)が続く。
第1日に2打差の3位と好発進した石川遼(CASIO)は1バーディー、4ボギーの73とスコアを落とし、通算1アンダーで24位に後退した。
生源寺は昨季、下部のABEMAツアーで同ツアー史上最高額の1125万3106円を稼ぎ、賞金王に輝いた。今季はレギュラーツアー開幕戦の東建ホームメートカップで自己最高の2位。好調の25歳は、初出場の今大会でも好プレーを連発した。2番パー5で第3打のアプローチをピンに50センチに寄せてバーディーを奪うと、6番まで5連続バーディー。この日、実測159ヤードの4番パー3では8アイアンでピンそば30センチにつけて、もう少しでホールインワンとなるスーパーショットを披露した。前半を29で折り返し、後半の10番でもバーディーを奪った。
今大会では2010年の最終日で石川が世界主要ツアー最小の58をマークして、大逆転優勝を果たした。生源寺は「58が(頭の中で)チラチラしました」と正直に明かす。10ホールで7バーディーを奪った後、バーディーラッシュはストップ。「11番、12番でバーディーを取れなかったので58は無理かな、と思いました」
14番ではこの日、唯一のボギーをたたいたが、15番、17番、18番でもバーディーを重ね、圧巻の61をマーク。今大会では2010年最終日で石川がマークした58、2014年第1日で松村道央がマークした60に続く大会史上3位タイのビッグスコアで、17位から一気に首位に浮上した。
生源寺は、山口・山陽小野田市出身で、高校は岡山の作陽に進学した。2019年全英女子オープン優勝の渋野日向子は同じ高校の同学年のチームメートだった。「同じクラスになったことはありませんけど、ゴルフ部では一緒に練習していました。当時から、うまくて、明るかったです」と生源寺は懐かしそうに話す。
2017年に作陽高卒業後、渋野はプロの道へ、生源寺は同大に進学した。渋野が2019年に全英女子オープンを制して、世界中に衝撃を与えた時、生源寺は同大の3年生だった。
「刺激でしかなかった。ちょうど、その頃、僕も大学を卒業したらプロになろう、と決めた時でした。(渋野は)国内でも何度も勝っています(6勝)ので、僕もプロとして早く追いつきたい」と生源寺は爽やかに話す。圧倒的な勢いで全英を制した渋野と同じような勢いで残り2日を戦い、ツアー初優勝を目指す。