◆女子プロゴルフツアー RKB×三井松島レディス 最終日(12日、福岡CC和白C=6305ヤード、パー72)
首位タイから出た岩井千怜(ちさと、21)=ホンダ=が6バーディー、1ボギーの67で回り、大会コース記録を更新する通算12アンダーで自身初の大会連覇を飾った。大雨決戦を制し、今季2勝目&通算6勝目で年間女王を争うメルセデス・ランクも1位に浮上した。会場で見守った母・恵美子さん(49)に、連日のピンク色コーデのウェアで思いを届け、2年連続で「母の日V」を達成。今大会はセカンドカットが行われ、36人が最終日をプレーした。
かわいらしいピンクのレインウェアで雨をしのぎ、18ホールを回った岩井千は表彰式で同色のブレザーを身につけ、満面に笑みを浮かべた。67で大会コース記録の12アンダーで連覇。「母の日に最高のプレゼントを贈れた」。観戦した母・恵美子さんに届けたベストプレーだった。
「お母さんのためにも頑張ろうと、この試合で勝ちたい気持ちが優勝につながった」。双子の姉・明愛(あきえ)とともに初日からピンクを基調に母の日コーデで統一。第2日はこの大会のためにリストバンドを着けるなど、ディフェンディング大会を盛り上げた。
首位で出たこの日は大雨と最大瞬間風速12・3メートルの強風の悪条件。だが、「夢中でやっていて雨、風は影響しなかった」。9番でチップインバーディーを奪うなど、昨年より成長を実感する小技で、難敵・山下美夢有(22)らを寄せつけず、開幕戦(3月)以来の優勝を手にした。
昨年は明愛、山下との三つどもえのプレーオフを制した。今年は2位に3打差の快勝。「去年よりはちょっと気が楽に見られました。(連覇は)うれしい」と恵美子さん。「冬は泣きながらトレーニングしていた」という千怜を「限界以上にやっていたんですかね。家に帰ってウルウルしながら話して。(努力が)実を結んだ」とねぎらった。小さい頃から、苦しいときにはいつも母が優しく支えてくれた。千怜は改めて「(母が)応援に来てくれるとうれしい。落ち着くような存在」と感謝した。
今回、200ポイントを加算し、活躍度の指標となるメルセデス・ランクで首位に浮上した。初の年間女王に向けて「まだまだこれから。一試合一試合、自分のやりたいゴルフをして結果1位であれば」と見据えた。“直ドラ”に代表される攻撃的スタイルが持ち味で「バーディーを取って、笑顔を届けたい。元気ハツラツのプレーをしていきたい」と今後も笑顔で勝利を積み重ねていく。(岩原 正幸)