前週の米女子プロゴルフツアー「ショップライト・クラシック」で失格となった畑岡奈紗が15日、自身のインスタグラムで「提案と提言」とし意見書を掲載した。
畑岡は第1ラウンド(R)を4位と好位置で大会をスタートしたが、第2R前に第1Rで「誤所からのプレー」があったと判定された。問題となったのは9番。第2打が茂みに入り、球を見つけ出してからアンプレアブルを選択。だが、米テレビ中継局リポーターからの指摘により、球を捜す時間が規定の3分を超える、3分25秒を要していたことが映像で確認された。失格により、世界ランクに関する今大会でのポイントは「0」に。10日付けの同ランクは日本勢3番手の20位に後退し、24日発表のパリ五輪代表争いにも影響を与えた。
このことを受け、「他の選手に起きてほしくない」として以下の3点の考えを記した。(原文ママ)
〈1〉ルールの曖昧さについて
規則上、「ボールを捜し始めてから3分以内」に見つけることができなければ、紛失したとみなされるとなっていますが、時間計測を開始するタイミング、誰がどのように計測するのか(誰が計測した時間を採用するのか)などは明確ではありません。違反すれば結果的に失格にもなり得る重大なルールですので、可能な限り曖昧さを排除すべきですし、現実的に運用可能な環境を整備することが重要と考えますので、このような観点からルールの明確化が必要であると考えます。
〈2〉違反の指摘と処分のタイミングについて
今回の件では、私がスコアを提出し、同伴競技者も同意してアテストが完了した後に外部からの指摘で映像を使った検証がなされ、違反が確認されました。冒頭で述べた通り私は制限時間の3分を超えてボールを探していた認識は全くなく、積極的にルール違反をする意図は全くありませんでした。スコア提出前に違反を指摘されていれば、ルールズに相談の上、正しい位置からプレーしたはずですし、そうしていれば失格にもならなかったはずです。
今回、違反の意図は全くない中で、外部からの指摘により映像での検証がスコア提出後に行われ、既に正しい場所からプレーしなおすことが不可能なタイミングで違反が指摘されたことは極めて残念で、大変悔しい思いでいっぱいです。このような意図的でなく、是正可能な違反行為については、適宜のタイミングで違反の事実が知らされるべきですし、これがルールズやツアーサイドから指摘されないままにスコアが提出されたのであれば、その後に外部からの指摘を受けて処分を下すことは避けるべきではないでしょうか。
また、今回のように選手自身も同伴競技者も何ら違反を認識していないようなケースで、第三者からの指摘を受けて違反行為の検証がなされたことも、残念に思っています。恣意的なルールの適用がなされないようにするためにも、選手や同伴競技者の声が重視されるような仕組みを作ってほしいと考えます。
〈3〉映像による検証について
今回の件では、映像による検証がなされましたが、全選手の全てのプレーを撮影することは現実的ではないため、映像が残っていない場合には、映像による検証ができないことも想定されます。映像による検証を行うのであれば、あらゆるケースで実施できるよう環境を整えるべきですし、それができないのであれば、基本的には映像による検証は行わず、選手、同伴競技者、ルールズの間で解決していくべきであると考えます。
今回の件に関する私の考えは以上のとおりです。次のツアーに集中して臨むためにも、本件については、この投稿以外にコメントするつもりはありませんので、ご理解いただけますと幸いです。最後に、一緒になって必死で私のボールを探してくれた皆さまに心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。