金谷拓実、5差逆転V「絶対(ノルマが)終わるまで帰らん」パット不振から復活 担当記者が見た雨の中の猛練習 


優勝選手インタビューで笑顔を見せる金谷拓実 (カメラ・馬場 秀則)

優勝選手インタビューで笑顔を見せる金谷拓実 (カメラ・馬場 秀則)

◆男子プロゴルフツアー ACN選手権 最終日(6日、兵庫・三木GC=6993ヤード、パー71)

 6位から出た金谷拓実(26)=Yogibo=がH・W・リュー(韓国)とのプレーオフ(PO)1ホール目をバーディーで制し、開幕戦の東建ホームメイトカップ以来、半年ぶりの今季2勝目を挙げた。5打差を逆転し、ツアー7勝目。春から夏にかけて得意のパッティングが不振に。熱心に練習を積み、復活を遂げた姿を富張萌黄記者が「見た」。

 1メートルのバーディーパットを難なく沈めた金谷は力強くガッツポーズをつくり、ボールをギャラリーへ投げた。「最近は優勝争いに加われず悔しかった。優勝できて自信を取り戻せた」。首位と5打差からのスタート。6番で8メートルをねじ込むなど5番から4連続バーディーで勢いに乗り、後半も4バーディーを奪った。半年ぶりの今季2勝目に感情が高ぶり、派手なパフォーマンスになって表れた。

 開幕戦を勝利後、生命線のパットが不振に陥った。昨季、1ホールあたりの平均パット数1・7295が、今季は先週まで1・7415に増えた。「練習しているからこそ、結果が出ないとすごく悔しい」と吐露したが、やるべきことは変えなかった。

 8月末のフジサンケイクラシック。スタートが遅れた第2ラウンドの5時間前、雨の中で練習グリーンでパターを打つ姿があった。最終日のホールアウト後も1時間パターを握る姿を見た。「絶対(ノルマが)終わるまで帰らん」と雨に打たれながら向き合った。引き揚げる際に「悔しいからですか?」と声をかけると「もちろん」と返ってきた。

 今大会の同パット数は「1・5」で2位を記録し、姿勢が結果につながった。賞金ランクは2位に浮上し、約2000万円差に縮まった。次週のメジャー、日本オープンからは高額賞金の大会が続く。「大きな弾みになった」と昨年は達成できなかった賞金王へ向け、態勢が整った。(富張 萌黄)

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