蝉川泰果 大会&メジャー日本人最年少連覇「したい気持ちすごくある」 11月28日から日本シリーズJTカップ


23年、大会最年少優勝を決めた蝉川

23年、大会最年少優勝を決めた蝉川

 国内男子プロゴルフツアーの今季最終戦のメジャー、第61回日本シリーズJTカップ(11月28日~12月1日、東京よみうりCC)の記者発表会が8日、開催コースの東京・稲城市の東京よみうりCC(7002ヤード、パー70)で開かれた。昨年大会を最年少の22歳326日で制した蝉川泰果(23)=アース製薬=は「連覇したい」と1971、72年の尾崎将司(当時25歳)を抜く史上最年少での快挙達成に意欲を燃やしている。6番パー5が改修され、全長が22ヤード短くなった舞台で7人目の偉業に挑む。

 蝉川が再び、最終戦のメジャーの歴史を塗り替える。昨年は大会最年少Vを達成。「関西オープン(4月)で優勝してから勝てず、最終戦で優勝できたというのは、本当にうれしかった」と7か月ぶりの勝利に大粒の涙を流した。2022年日本オープンに続くメジャー2冠も1973年のツアー制施行後、最年少で飾り賞金ランク2位へと躍進した。

 昨年大会覇者の資格で、出場する3年連続3度目の日本シリーズでも頂点だけを見据える。23歳325日での同一メジャー連覇なら、38年から日本プロ選手権を3連覇した戸田藤一郎の24歳333日を抜き、日本人最年少記録となる。「JTカップで連覇したい気持ちはすごくある。しっかり仕上げていけたら」と力強く語った。史上最年少記録については「いざ勝ってそういうふうに言われると、はくがつく感じがする」と価値の重みを実感している。

 今大会から6番パー5が改修された。グリーンを昨年より手前に新設し、22ヤード短い519ヤードとなる。昨年は初日にイーグルを奪うなど、蝉川は4日間で4アンダーを稼いだキーホールだ。昨季は300ヤードを超す飛距離でイーグル率、イーグル数でツアー新記録を樹立し、パー5での累計スコアも1位に。パー5が2つだけの日本シリーズ。「しっかりバーディーを取っていかないといけない」と自身の持ち味を生かす構えを示した。

 今季は15戦未勝利。7月のメジャー、日本プロ選手権2位などトップ10入りは4度も「悔しいのひと言」と蝉川。勝負どころのパットが決まらず、トップの同学年・平田憲聖(23)とは約7300万差の賞金ランク18位だ。「後半戦に入ってからも、なかなかゴルフがうまくいかない」と夏場にパターを変更するなど試行錯誤を重ねる。飛距離を武器に、史上初のアマ2勝など数々の記録を塗り替えてきた「和製タイガー」。師走の首都決戦で真価を発揮する。(富張 萌黄)

 ◆蝉川 泰果(せみかわ・たいが)2001年1月11日、兵庫・加東市生まれ。23歳。1歳からゴルフを始め、大阪・興国高2年時に関西ジュニア、3年時に国体優勝。22年度アマチュア日本代表。東北福祉大4年時の22年9月のパナソニックオープンで初優勝し、同10月の日本オープンで史上初のアマ2勝目。同11月にプロデビュー。昨年4月、関西オープンでプロ初優勝を挙げ、賞金ランク2位。175センチ、77キロ。家族は両親と姉。

 ◆日本シリーズ連覇の顔ぶれ

 ▼河野高明(28)=1967、68年 ツアー5勝。69年から5年連続マスターズ出場

 ▼尾崎将司(25)=71、72年&95、96年 プロ通算113勝で賞金王歴代最多12回

 ▼青木功(37)=78、79年 日米欧豪4ツアーVなどプロ通算85勝。80年全米オープン2位

 ▼尾崎直道(35)=90、91年 日本タイトル4冠などツアー通算32勝

 ▼藤田寛之(42)=10~12年 初の3連覇。12年に史上最年長の43歳で初の賞金王

 ▼谷原秀人(44)=21、22年 大会3人目の選手会長V。ツアー通算19勝

※()内は連覇達成時の年齢

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