◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第1日(28日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70)
ツアー史上最多6人による最終戦での賞金王争いは、可能性を残す選手が総じて苦戦の幕開けとなった。2015、19年大会覇者の石川遼(33)=カシオ=は1バーディー、4ボギーの3オーバー、73でトップと8打差の24位と出遅れた。賞金ランクトップの平田憲聖(24)=エレコム=は2オーバー19位、2番手から逆転を狙う金谷拓実(26)=Yogibo=は1オーバー17位で初日を終えた。
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ギャラリーから悲鳴が上がった。17番パー5。1メートルのパーパットを転がし、踏み出した石川の足が止まった。ボールはカップにはじかれた。この日の難易度17番目のチャンスホールで3パットを喫しスコアを落とし、痛恨の連続ボギー締めで下位に沈んだ。
「こういうこともある。まだまだここから。全然ここから、しっかりと追い上げていけばいいだけかなと思う」
大会15度目の出場で初日オーバーパーは09、10年以来3度目。悔しさを募らせつつ、必死に気持ちを前に向けた。
グリーン上でもどかしい展開が続いた。2番パー3でピン右奥1・2メートルのバーディーパットがカップ右を抜けた。「決めたいパットだったし、そこを決められなかった。それからもミスはあったし、一日をかけて戻そうと思ったけど、なかなか戻せなかった」。4番は1メートル強を外してボギーが先行。6番パー5ではグリーン左ラフからのバンカー越えの第3打を1・5メートルに運んだが、これも決めきれなかった。
34パットはこの日の全体ワースト2位。賞金ランク6位からの逆転キングへ優勝が絶対条件の最終戦で出遅れたが、戦いはまだ4分の1を終えたばかり。邪念も気負いもない。「そんなに緊張もなく、いい感じでやっていた」と振り返った18ホールを、次につなげていく。
「ショットも、徐々に徐々に先週よりは良くできている。ここからさらに良くできるようにしていきたい」
ホールアウト後は日没までコースに残り、ショットとパットの修正に努めた。2日目は風の影響が少ない午前9時スタートの第1組。過去に2度「62」をたたき出している得意コースで、巻き返しをはかる。(高木 恵)
◆最終戦を制しての逆転賞金王 日本ゴルフツアー機構によると、最終戦を優勝しての逆転賞金王は1973年のツアー制施行後、2000年のファンケル・オープンin沖縄の片山晋呉(771万3253円差の賞金ランク2位)、17年の日本シリーズJTカップの宮里優作(1717万7831円差の賞金ランク2位)の2度だけ。