
13番、笑顔を見せる中村(カメラ・豊田 秀一)
◆女子プロゴルフツアー 国内メジャー第3戦 日本女子オープン 第2日(3日、兵庫・チェリーヒルズGC=6616ヤード、パー72)
19歳ルーキーの中村心(ヤマエグループHD)が5位で出て1イーグル、4バーディー、2ボギーの68で首位と2打差の4位に浮上した。第1日の自身プロ初ホールインワンに続き、2日連続のイーグルを奪取。05年大会を20歳で制した宮里藍さん(40)を超える、メジャー年少4位の19歳345日での初優勝を狙う。2位で出た堀琴音(29)=ダイセル=が67と伸ばし、通算11アンダーで単独首位に浮上した。
小雨を切り裂くスーパーショットだった。18番パー5、残り200ヤードの第2打。右前方のフェアウェーに刻む同組の選手を横目に、中村は迷わず5ウッドを抜いた。眼前には大きな池。「行くしかないと思った。全然怖くなかった」。こん身の一打はグリーン手前に着弾してピン奥50センチに2オン。ギャラリーからどよめきが起きた。
「当たりも良かった。2日間で2個も取れて、たまたま重なったけどうれしい」。プロ初エースを決めた第1日に続くイーグル。メジャーで11人目の2日連続奪取に笑みがこぼれた。さらに「アイアンショットが特に良かった」と前半のラスト3ホールで4つ伸ばし、首位と2打差4位につけた。
国内男子ツアー48勝を誇る中嶋常幸(70)の門下生。9月の日本女子プロ選手権に訪れた師匠から練習場で「トップでクラブのヘッドの重さを感じられるように」と助言を受けた。新人ながら、今季の平均飛距離249・89ヤードは全体13位。精度に磨きがかかったティーショットが好スコアを生んでいる。
優勝を届けたい人がいる。1月にプロ野球ソフトバンクの柳田悠岐外野手(36)らの自主トレに参加。体力強化や食トレを学び「初優勝を期待してるよ」と激励された。4月の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンでプレーオフの末に2位に終わった時は「おつかれさま。ハラハラ、ドキドキしました」と気にかけてくれた。負傷から復帰し、パ・リーグ制覇に貢献した柳田の姿に「今度は私が優勝できるように頑張る」と誓う。
今季は同学年の菅楓華、入谷響、荒木優奈が続々と初優勝。ルーキーで初Vを掲げながら、予選落ち13回の中村は「苦しんでいるけど、最後まで諦めず優勝を目指したい。私もみんなに続きたい」。メジャー年少4位となる19歳で頂点に立つ。(星野 浩司)
◆中村 心(なかむら・こころ)2005年10月25日、山口県出身。19歳。姉の影響で5歳からゴルフを始める。ECC学園高3年時の23年に日本ジュニア選手権を制覇。24年プロテストは2度目の挑戦で合格。今季開幕時のQTランキングは74位。得意クラブはドライバー、ショートアイアン。文字や箸は左利き、ゴルフは右利き。目標の選手はアタヤ・ティティクル(タイ)。161センチ。家族は両親と姉。