
18番、ティーショットを放つ平田憲聖(カメラ・中島 傑)
◆男子プロゴルフツアー メジャー第3戦 日本オープン 練習日(15日、栃木・日光CC=7238ヤード、パー70)
米下部ツアーを年間ポイントランキング15位で終え、20位までに出場権が与えられる来季のレギュラーツアー昇格を決めた平田憲聖(エレコム)が、日本一決定戦に挑む。
インディアナ州での今季最終戦を終え、14日に帰国したばかり。この日、初めてコースを回った。今大会は優勝者にマスターズの出場資格が与えられる。「それが自分のなかで一番大きい理由だった」と出場を決めた。「小さい頃からテレビで見ていた夢の舞台。本当に限られた人しか出られない。目標の場所」。初出場へのチャンスをものにしたい。
この1年の挑戦は、平田のゴルフ人生に大きな意味をもたらした。「日本人が(下部ツアーの)コーンフェリーから上がることはあまりなかった。背も大きくないし、体格も大きくないし、飛ぶわけでもない僕でもできるということを示したかった。成長できたと思う」と振り返った。
芝に対しての対応力、増えたアプローチの引き出しに加え、メンタル面でもたくましさは増した。過酷な環境下で戦い抜いたことは自信になった。家を借りて毎週自炊し、フライパンで米を炊いた。「ユーチューブで調べて。相当うまくなりました」と誇らしげに微笑んだ。
国内に時差がある広大な米国での移動もそう。特に下部ツアーは、行ったり来たりの転戦を強いられる。日曜日に大会を終えて、月曜日に飛行機を乗り継ぎながら次戦の開催地へ向かい、また練習。「日本ではあまり経験しないこと。そこは本当に自分でもよくやったなと思う」と達成感を口にした。
今季2度目の国内ツアー。「コースも今日初めて回ったし、なかなかいいコンディションではないけど、明日から自分のできるゴルフをして、優勝争いをできたらいいなと思う」。オーガスタへの夢を追い、疲労が残る体にムチを打つ。(高木 恵)