◇男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス最終日 20日(宮崎・フェニックスCC、7027ヤード、パー71)
最終ラウンドが行われ、ブルックス・ケプカ(米国)が通算21アンダーで逃げ切って大会初優勝。61で回った池田勇太の猛追を振り切った。
日本のツアープロの間では聞かないような“珍練習”が、日本ツアー初出場初優勝につながった。
「ラッキーだった」と本人が言ったのは15番だった。第1打は左に大きく曲がり、林に入った。前方には木が密集しており、直接グリーンを狙うのは難しい状況だった。
まずケプカを救ったのが、グリーン手前にあったテレビ塔だ。ボールのあった場所からグリーンを狙おうとすると、木と木の間にあるテレビ塔が邪魔になる。そのため救済を受け、2クラブレングス以内の場所に無罰でドロップできることになった。
「実は大学時代から(林の中での)ドロップの練習をかなりしていた。今では狙った場所に落とすことができる。あの辺りは、木の根っこがたくさんあった。あえて木の上にボールを落として、木の根っこの上では止まらないようにした。コツはグリーンを読む時と同じ。どんな風に、どこにボールを落としたら、どこまで転がって行くか。ずっと考えて練習していた」。
アマ時代からの練習の成果が出て、ボールは松葉の上で止まった。林の中からの第2打はグリーンをとらえて、楽にパーセーブした。結果だけを見れば、15番がボギーなら勝負は分からなかった。プロで勝つためには、クラブを使わないような練習も必要だということか。