遼、連覇へ大胆!米ツアー見据え新ドライバー投入…日本シリーズ1日開幕


夕日に向かい17番でティーショットを放つ石川遼

 国内男子ゴルフツアーの今季最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップは1日、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で開幕する。6位に終わった前週のISPSハンダ・ワールドカップ(豪州)から、前日に帰国した昨年覇者の石川遼(25)=カシオ=は30日、プロアマ戦で最終調整。ツアー屈指の高速グリーンと今年から長くなったラフを警戒し、操作性の高いドライバーをテスト。来年の米ツアーも見据えた世界基準の“王道”をいく攻め方で、大会6人目の連覇に挑む。

 石川の力強い打球音が響いた。プロアマ戦の5番パー4。新ドライバーでフェアウェーを捉えると、第2打をピン右2メートルに乗せてバーディー。続く6番パー5の第1打も破裂音の直後に真ん中に転がった。8番まで4連続バーディー。「(来年)1月から米国で試合があるので今年の集大成ではなく、つながっていくようなプレーをしたい」。悲願の米ツアー初Vをつかむため、大きな意義を持って連覇に挑む。

 この日は以前から使うキャロウェイゴルフの「XRサブゼロ」に加え、11年に発売した同社の「RAZR HAWK(レイザー・ホーク) プロト」の2本をプロアマ戦で使用した。「XR―」に比べ、体積が20cc小ぶりな440ccのヘッドで操作性が向上。昨年よりも長いラフに入れると、第2打はスピンをかけにくく、傾斜のある高速グリーンで球を止められない。よりピンを攻め、スコアを伸ばすには第1打をフェアウェーに置くのが条件だ。

 その名の通りタカのように高い弾道で舞い、フェアウェーを捉える新兵器。大一番で投入できるのも石川の対応力があってこそ。その挑戦を後押しするのが世界を目指す向上心。優勝した昨年のものを捨て今のベストを尽くす。「(6、17番のパー5は)第1打がフェアウェーにいけばイーグルチャンスもある」。使い勝手がよければ米ツアーでも武器になる。

 日本代表の誇りを秘めて、晴れ舞台に立つ。「JAPAN」の文字が入ったキャディーバッグなどは日の丸が入ったW杯仕様のまま。新モデルも選択肢にあったが「日の丸がかっこいい」と決断。松山英樹(24)=LEXUS=と合わせたパターカバーもそのまま。「(悔しさをぶつけるという)ストーリーはないけど。もっとうまくなって帰ってこようと思った」と敗戦が成長のバネになった。

 10月の日本オープン以降、海外で戦う間も日本での賞金王争いのことは頭にあった。「勇太さんと谷原さんが優勝争いをしていたら、僕もそこにいたい。そして、僕が勝ちたい。遠慮はしない」。松山も3週前の三井住友VISA太平洋マスターズで「邪魔できれば」と話して優勝を実現した。今度は石川が師走の最終戦で主役になる。(浜田 洋平)

 ◆日本シリーズの連覇

 ▼67、68年=河野高明 69年から5年連続マスターズ出場

 ▼71、72年&95、96年=尾崎将司 通算113勝で賞金王12回

 ▼78、79年=青木功 80年全米オープンで2位

 ▼90、91年=尾崎直道 ツアー32勝の永久シード

 ▼10~12年=藤田寛之 初の3連覇。12年43歳で初賞金王

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