渡辺彩香、“苦手”首位発進から今度こそ通算4勝目!


 ◆女子プロゴルフツアー ヤマハレディース第1日(30日、静岡・葛城GC山名C)

 2年前の大会女王・渡辺彩香(23)=大東建託=が風の穏やかな前半スタートの利点を生かし、5バーディー、1ボギーの68で回り、首位発進だ。インから出ると、好調なショットを武器にバーディーを量産。過去初日首位8度のうち優勝したのは1回のみ。地元・静岡でジンクスを破り、15年11月以来となる通算4勝目に向かう。韓国の申ジエ(28)=スリーボンド=も首位に並ぶ。

 復調したショットでバーディーを量産し、ギャラリーを魅了した。渡辺は12番、残り120ヤードの第2打をピン2メートルに寄せ、これで勢いに乗り4アンダー。2週連続首位発進に「すごくいいスタート」と胸を張った。開幕から前週までショットの手応えは良くなかったが、それでもここ2戦を2、6位と踏ん張り、大会前に修正して結果につなげた。

 風がほとんどない“午前組”だったことも幸い。スタートの午前8時台は風速1・4メートル。公式発表は正午時点の同5・1メートルだが、後半スタート組は午後2時1分に記録した最大瞬間風速10・9メートルの強風の影響をもろに受け、前半と後半で平均ストローク4・0667の差が出た。第2日は後半スタートになり、悪天候も予想される中「穏やかな日はない。出だしは上々」とジュニア時代から回った愛着ある難コースでの“貯金”を喜んだ。

 過去8度首位発進も、うち優勝は14年アクサレディス1度のみだが、今大会で2年ぶりに勝ちたい理由がある。女王になると翌年大会、コースに隣接し広大な日本庭園を持つ高級旅館「葛城北の丸」に滞在できる。地元開催の02年サッカーW杯で日本代表が合宿した場所で「当時のユニホームもあった。また優勝して家族を招待したい」とサッカーファンの渡辺は目を輝かせた。

 今大会も両親は熱海から車で2時間かけて日帰りで応援。「3勝は全部、家族が最終日を見てるんです」と昨年未勝利に終わった23歳はVだけを見据えた。(岩原 正幸)

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