渡辺彩香「欲を出したらミスにつながる」メジャー初Vへ語った心構え


プロアマ戦を終え、同組のプレーヤーと笑顔で握手をする渡辺彩香(カメラ・相川 和寛)

 女子プロゴルフツアーのメジャー初戦、ワールドレディスサロンパスカップは4日から4日間、茨城GC西C(6670ヤード、パー72)で開催される。昨年、レキシー・トンプソン(22)=米国=との飛ばし屋対決で気合が空回りし、2打差2位に敗れ号泣した通算3勝の渡辺彩香(23)=大東建託=は3日、「欲を出したらミスにつながる」と無欲を強調。“ニュー彩香”でメジャー初Vへ挑む。

 飛ばし屋対決にファンの注目が集まる中、渡辺はあえて同組のトンプソン“無視”を決め込んだ。昨年ドライバーの飛距離で20ヤードほど置いていかれ「意識はしない。(飛距離は)勝てないって分かってますから」と自身のプレーに集中する心構えを強調。「メジャーで欲を出したらミスにつながる。目の前の一打に集中してやりたい」と続けた。

 昨年最終日、16番の第2打を木に当てて痛恨のボギーでV争いから後退。父・光章さん(56)は当時を「五輪に出たい思いと、レキシーがいて、気持ちが入りすぎていた。悔しかったと言っていた」と号泣の理由を明かした。リオ五輪出場へ世界ランクを上げなければならず、さらに飛ばし屋対決も注目され、気合が空回りして焦りにつながったという。

 今年も3度、最終日最終組で回りながら優勝に手が届かない。4月のヤマハレディースでは最終日16番にダボをたたき1打差2位。「勝ちたい、勝ちたいと思って、うまくいかないことが去年も今年もあった」と自己分析。自然体をテーマに昨年のリベンジに挑む。

 予選落ちした前週からショットも復調。「土曜日が一番ひどかった。その時の状態は2、3割で今は6、7割」。この日のプロアマ戦では5番パー5で第2打を8メートルに2オンし、2パットで楽々バーディーを取るなど「まずまず。慎重にターゲットを決めて打てている」と手応えを口にした。

 2日は八代直也トレーナー(45)からケアを受け「(心身ともに)リセットして良くなった。安心して試合に臨める」と話した。15年11月以来の4勝目へ、がっつきすぎずに4日間を戦い抜く。(岩原 正幸)

 ◆昨年大会VTR 渡辺はトンプソンと並び、首位に1打差の6アンダー2位で予選ラウンドを通過。3日目は70にとどまり、65を出した首位のトンプソンと5打差2位。最終日はベストスコアの69で2打差まで詰め寄ったが、11アンダーで2位。「やっぱり悔しい」と号泣。優勝したトンプソンとは3日目を除く3日間で同組だった。

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