
羽川豊
◆米男子プロゴルフツアー 海外メジャー第2戦・全米オープン最終日(18日、米ウィスコンシン州エリンヒルズ=7741ヤード、パー72)
松山英樹(25)=LEXUS=の海外メジャー第3戦、全英オープン(7月20日開幕・ロイヤルバークデールGC)制覇へ向け、日本ツアー通算5勝の羽川豊(59)=セントラルスポーツ=が「グリーン周り」の進歩を指摘した。
重圧のかかる最終日、風の強い厳しい条件下でベストスコアの松山は、ものすごいプレーをした。勝つだけの技術や経験、精神力は十分に備えていた。最終日になると飛距離も伸び、優勝を意識するとギアが一段上がるタイプ。普通は安全に、曲げないように手堅くいくが攻め抜いた。日頃の練習の中で培った、スイングへの確固たる裏付けと経験があるからこそ。過去のメジャー18戦で悔しい思いをする中で戦い方や自信をつかみ、どんな状況でも優勝争いに絡む底力がついてきた。
4番でグリーン奥から13メートルのバーディーパットが入り、勢いづいた。そこからショットも上向いた。今大会のパット数は全体2位の少なさ。これまではショットは好調でもパットを決め切れずに優勝を逃してきたが、今大会はしっかりと芯でボールを打てていた。
次のメジャー、全英オープンのコースは風が強い。ただ、今の松山は悪条件の方が強さを発揮すると思う。昨秋からアプローチ、パットが進歩し、パーを拾えるようになってきた。世界ランク1位浮上の可能性もあるが、松山はメジャー優勝にこだわってきた。1位はその先にあるもの、と見ているだろう。(プロゴルファー)