丸ちゃんジュニア・奨王が4差2位発進!日本人親子初のメジャー出場へ“主役”譲らん


好パットを連発した丸山

 ◆男子ゴルフアジア・パシフィック・アマチュア選手権 第1日(26日、ニュージーランド・ロイヤルウェリントンGC=6845ヤード、パー71)

 【ウェリントン(ニュージーランド)26日=榎本友一】初出場の丸山奨王(しょうおう、17)=キャンベルホールスクール=が6バーディー、2ボギーの4アンダー、67をマーク。優勝すれば獲得できる、来年4月のマスターズと同7月の全英オープン出場権へ向けて4打差2位と好発進した。後半、日米通算13勝の父・茂樹(48)=セガサミーホールディングス=譲りの小技がさえわたり、海外メディアも熱狂させた。8アンダー、63をマークしたシェイ・ウールスコブ(21)=豪州=が単独首位。

 初メジャー切符のかかった大舞台で、絶好のスタートを切った。4打差2位の「sean(奨王)」はホールアウト後、海外メディアの取材攻勢を受けた。両親を含め周囲は「ショーン」と呼んでいる。背丈や笑顔などが父に似ていることを指摘されると「まねはしてはいないのですが、ときどき言われますね。いつまでも父の陰に隠れていたくはないので、今大会でいいプレーをしたい」と流暢(りゅうちょう)な英語で堂々と答えた。

 17歳とは思えない冷静な修正力が光った。10番から出て、前半はフェアウェーキープ2度、17番で1メートル半のバーディーパットを外すなど、得意のパットも左右にぶれた。そこでパターのグリップを修正。「両手の親指をくっつけていたのを、離して元に戻した」。前半はイライラの募る展開だったが決戦前夜、電話で父から「楽しんでやってこい」と助言され、その言葉を胸に懸命に我慢を続けた。

 後半、父直伝の卓越したショートゲームでバーディーラッシュをかけた。2番で5メートル、4番は40センチ、5番6メートル、6番7メートルを沈めてバーディー。圧巻は7番だ。グリーン左手前15ヤードのラフからウェッジでの第3打を柔らかく振り抜くと、カップへ消えてチップインで4連続バーディー。「思い通りの球をイメージ通りに打てた」と胸を張った。

 第9回を迎えた大会。過去に制した日本人は10、11年の松山英樹だけだ。「テレビですごいな、と見ていましたね。松山君は世界アマランク1位にもなっているので、化け物ですよね」と笑った。

 この日応援に訪れた母・瑞穂さんによると、「奨王」の名前は父が好きな名優のショーン・コネリー(87)から名付けたという。午後スタートの第2Rは「イーブンパーを目指していく」と丸山。日本男子初の親子2代でのメジャー出場の夢に向け、今大会の“主役”を演じきる。

  ◆丸山 奨王(まるやま・しょうおう)2000年6月2日、米カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。17歳。父の影響で4歳でクラブを握り、10歳で本格的に始める。昨年6月のウェスタン・ジュニア選手権で優勝。今年9月に初開催された「ジュニアプレジデンツカップ」で世界選抜入り。平均飛距離は290ヤード。ベストスコア65。来年8月には名門UCLA(カリフォルニア大ロサンゼルス校)へ進学予定。171センチ、63キロ。家族は両親。

  ◆アジア・パシフィック・アマチュア選手権 主催はアジアパシフィックゴルフ連盟。オーガスタナショナルGCとR&Aが共催して2009年から開始。第9回大会の今回は37の国と地域から男子116人が出場。優勝者に翌年のマスターズと全英オープン出場権、2位にも全英最終予選切符が与えられる。10、11年大会を松山英樹が連覇し11、12年のマスターズに日本人アマとして初めて出場した。来年はシンガポール・セントーサGCで開催予定。

最新のカテゴリー記事