◆女子プロゴルフツアーメジャー第1戦 ワールドレディスサロンパスカップ第1日(3日、茨城・茨城GC西C=6715ヤード、パー72)
雷雲接近の影響でスタートが45分遅れたため、24選手が日没順延となった。ホールアウトした選手では、19歳の美人ルーキー三浦桃香、ツアー通算13勝を誇る上田桃子、22歳の新海美優が2アンダーで首位に並んだ。
強風が吹き荒れる中、三浦が“旋風”を巻き起こした。自身2度目のメジャー初日。10番からスタートし、前半を1アンダーで折り返した三浦は1番パー4の第1打を約280ヤードかっ飛ばした。残り84ヤードの第2打を58度のウエッジでフルショット。狙い通りにバックスピンをかけてピン1メートルにつけてバーディーを奪った。「1番はフォロー(追い風)だったのドライバーショットは思い切り振りました。すごくいいショットでした」と笑顔で話した。
平均飛距離249ヤードでランク9位の飛ばし屋は、ただ飛ばすだけではない。横風、向かい風のホールでは一転、渋い技術を見せた。「横風、向かい風の時は棒球を打ちました。フェースのトゥー(先)側の下の方を打つと低くて転がるボールになる。飛ばすホールと置きにいくホールの2つを使い分けることができた」と胸を張った。
ドライバーショットは安定していたが、それでも2番、4番はメジャーならではの深いラフに入れた。「ラフに入れてしまった時はグリーンを狙わず、番手を落として花道を狙いました」。手堅い戦略でボギーを1つに押さえた。攻めるホールは攻め、守るホールは守る―メジャーで戦う鉄則を貫き、絶好のスタートを切った。
宮崎・日章学園高1年時の2014年日本女子オープンは2ラウンドで10オーバーと崩れ、あえなく96位で予選落ちした。それから4年。今季はツアーに本格参戦。3月のTポイントレディス、アクサレディスでは2週連続で最終日最終組を回った。重圧がかかる場面で力を出し切れず、それぞれ22位、10位に終わったが、苦い経験を糧に着実に成長を続けている。
15歳でツアー優勝した勝みなみ、日本女子オープンを連覇した畑岡奈紗、先週のサイバーエージェントレディスで初優勝を飾った新垣比菜ら同い年には逸材がそろう。“黄金世代”の一員でもある美人プロへの期待は大きいが、三浦に気負いはない。「私はそんなにうまくない。優勝は無理。10位以内に入れればうれしいです。『三浦桃香は試合に出ていないのかな』と思われたくないので、ちょっとは(上位に)顔を出したいです」と笑顔で話した。メジャーの鉄則と自然体を貫けば大仕事をやってのける可能性を秘めている。