イケメン出水田大二郎、祖父の命日に初優勝「2勝目を狙っていきたい」 


ツアー初優勝を果たし、ギャラリーの歓声に応える出水田大二郎(カメラ・渡辺 了文)

ツアー初優勝を果たし、ギャラリーの歓声に応える出水田大二郎(カメラ・渡辺 了文)

 ◆男子プロゴルフツアー RIZAP・KBCオーガスタ 最終日(26日、福岡・芥屋GC)

 首位タイで出たプロ8年目の出水田大二郎(25)=TOSS=が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算14アンダーで初優勝を飾った。2年シードとともに今季目標だった最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(11月29日開幕・東京よみうりCC)初出場権も獲得。祖父の命日にゴルフ人生の節目を重ねた飛ばし屋は、20年東京五輪出場も目指していく。熱中症を押して出場した選手会長の石川遼(26)=カシオ=は10アンダーで7位。

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 灼熱(しゃくねつ)の福岡で、大型のホープが一度も首位を譲ることなく初の栄冠を手に入れた。1打リードで迎えた最終18番。出水田は50センチのウィニングパットを「(緊張で)手が震えたまま打った」とカップに流し込んだ。グリーン脇で待ち受けた鹿児島・樟南高の先輩・秋吉翔太(28)と歓喜の抱擁。涙する先輩に苦笑いしつつ「本当に頑張ったな」という苦楽を共にした戦友の言葉に目が潤んだ。

 ツアー参戦6年目で初の最終日最終組だった。今季平均296・15ヤードとツアー10位の飛距離を武器に、11番までに4つ伸ばして3打差をつけるも、14、16番でボギー。崔虎星に並ばれて迎えた17番パー3は「18番のパー5もあるし、しっかり切り替えよう」と冷静さを保った。7アイアンでピン右5メートルにつけてバーディーを奪い、単独首位に躍り出ると右拳を突き出した。

 12年に19歳で下部ツアー2戦目で初V。宮崎で一人暮らししたが「練習せずに飲み歩いた」。2年間伸び悩み「このままじゃいかんぞ」と両親に活を入れられ、4年前に鹿児島の実家へ戻った。地道なトレーニングと練習で再起を図った。

 大切な日に節目を重ねた。この日朝、来場を前に母・とも子さん(59)からLINEが届いた。「今日はおじいちゃんの命日。絶対に味方してくれる」。4年前、父方の祖父・潤一さん(享年80)が他界。おじいちゃん子だったという出水田は「じゃあ、頑張る」と返信。表彰式で両親と記念撮影におさまり「少しは親孝行できたかな」とピース・綾部祐二似のマスクを崩した。

 今季目標は「JTに出ることでした。2勝目を狙っていきたい」と前を向く。20年東京五輪出場が夢だ。00年シドニー五輪女子マラソンをテレビ観戦し、金メダルを獲得した高橋尚子に憧れを抱いた。「自分もいつかあの舞台で日の丸を背負いたい」。日本を代表する選手へ、大きな一歩を踏み出した。(榎本 友一)

 ◆出水田 大二郎(いずみだ・だいじろう)1993年2月5日、鹿児島・鹿屋市生まれ。25歳。9歳から横峯良郎氏主宰の「めだかクラブ」でゴルフを始める。鹿児島・樟南高では九州ジュニア(15~17歳の部)を3連覇。卒業後にプロ転向し、12年に下部ツアー1勝。昨年、賞金ランク66位で初の賞金シードを獲得。183センチ、88キロ。AB型。家族は両親と兄、姉。アイドルグループHKT48の田中美久のファン。

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