◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン 第1日(22日、高知・Kochi黒潮CC=7335ヤード、パー72)
雨によるコースコンディション不良のため、1時間30分遅れで始まり、12人がホールアウトできずに日没順延となった。10度目の出場となる大会主催のカシオ計算機と所属契約する石川遼選手会長(27)は5バーディー、1ボギーの4アンダー、68をマーク。初日の大会自己最少スコアタイで首位と2打差の暫定7位の好発進で、次週のメジャー、日本シリーズJTカップ(29日開幕・東京よみうりCC)への2年ぶり10度目の出場に向け期待がふくらんだ。
執念が垣間見えた一打だった。前半の18番パー5だ。向かい風で、左足上がりの難しい傾斜のラフからの第2打。石川は残り270ヤードから迷わずドライバーを握り、グリーン右手前ラフまで運んだ。「思ったより(ドライバーでも)高い球を打てたので、3ウッドよりは飛んだと思う」。第4打で3メートルを沈め、狙い通りのバーディーを奪い、満足げな表情で大歓声に応えた。
選手会長初年度。コース外での仕事も多く、練習にさける時間は例年よりも減った。今季は未勝利で賞金ランク25位。30人が出場する次週の最終戦出場権争いは28番手とギリギリの戦いだ。ホスト大会でもあり緊張感が漂う。そんな中、スタートが1時間半遅れ、強風が吹き荒れても68。今大会初日では自己最少スコアで「初日が終わるまでは期待と不安が入り交じっている感覚。今日終わってみて、少し期待が不安を上回るかなっていう感じですね」と確かな手応えを口にした。
今大会で4位以内に入れば、自力で日本シリーズ出場権を得られるが「特に意識はしていない。自分だけの話ではないので。いい結果を求める近道は自分のことに集中すること」と平常心を強調した。大事な一戦でも“内容”へのこだわりは強い。「数字はいいスタートを切れたが、自分の納得できる一打を打ちたい。そういう意味では、今日はまだまだの内容だった」。前週の予選ラウンドで、米ツアー5勝の松山英樹(26)と同組で回った。「英樹と一緒に回って、自分なりに学んだこと」と、ライバルのプレーに高い向上心が感化された。
初日にこの日と同じ「68」を出した09、15年大会はともに2位。「やはり、4日目にこういう位置にいられるかどうかが大事」と石川。ホスト大会制覇で、最終戦への道を切りひらく。(宮下 京香)