藤田光里「できることをやろうと思う」初Vの地で4打差4位に急浮上


11番をパーセーブし笑顔の藤田光里。通算3アンダーで4位に浮上した(カメラ・今西 淳)

11番をパーセーブし笑顔の藤田光里。通算3アンダーで4位に浮上した(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス第2日(27日、静岡・川奈ホテルGC富士C)

 2015年大会覇者で、26位からスタートした美人プロ・藤田光里(24)=レオパレスリゾートグアム=が3バーディー、ボギーなしの68で回り、通算3アンダーとして首位と4打差の4位に急浮上した。一時は携帯電話も持てないほど左肘を傷めていたが、手術を経てようやく快方に向かい、思い出の大会で久々に存在感を発揮した。5位から出た吉本ひかる(20)=マイナビ=が66をマークし、通算7アンダーで首位に浮上。初優勝に王手をかけた。

 日本で最も美しいコースの一つと言われる川奈ホテルGCで、美人プロが復活の一歩をしるした。7、8番で連続バーディーを奪って迎えた9番パー3。藤田光が7アイアンで放った一打はカップまで5センチ、もう少しでホールインワンというスーパーショット。圧巻の3連続バーディーだった。

 15年の今大会でツアー初優勝。その年、賞金ランク18位に躍進し、ツアー屈指のスター選手となった。しかし、その後、左肘の故障に苦しめられた。「痛くて左手で携帯電話もコップも持てなかった。ゴルフというよりも普通の生活もできなかった」。熟慮の結果、昨年1月に手術に踏み切った。「神経の位置をずらして、自分の脂肪で固定した」という手術は無事に成功したが、昨季は11試合に出場し、うち10回も予選落ちと苦しい日々は続いた。

 光明を見いだしたのは2週前の下部ツアー、ハナサカレディスだった。「今、できることに集中したら納得のプレーができた。ツアーに戻って来られるか不安な時はあった。実は今もあります。そんな時は食べます。寝ます」と、明るく話す。

 今大会は主催者推薦で出場。「勝ったことがある大会なのでプレッシャーはあった」と、正直に明かす。ただ、そのプレッシャーが心地良かった。「去年は全く緊張しなかった。でも、(今年の)第1日はすごく緊張した。手が震えて、スコアカードがうまく書けないくらい」と笑う。ピリピリとした空気の中で戦うことはプロゴルファーとして本懐だ。

 昨年4月のサイバーエージェントレディス以来、1年ぶりの決勝ラウンド進出。首位と4打差の4位。ただの予選通過ではなく、トップ5、さらには4年ぶり2度目の優勝へ好位置だ。「できることをやろうと思っています」と、爽やかに話す。平成最後の女子プロトーナメントで、華のある女子プロゴルファーが帰ってきた。(竹内 達朗)

 ◆藤田 光里(ふじた・ひかり)1994年9月26日、札幌市生まれ。24歳。父の故・孝幸さんの教えで3歳からゴルフを始め、西岡中3年から北海道女子アマ5連覇。飛鳥未来高を卒業後の2013年にプロテスト合格。14年に賞金ランク38位で初の賞金シードを獲得。15年はフジサンケイレディスで初優勝など自己最高の同18位。16年は同48位で3年連続賞金シード。17、18年は賞金シードを逃した。家族は母と妹、弟。165センチ、56キロ。

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