1大会で30着!? 毎晩ファッションショー!? 女子プロゴルファーの気になる「おしゃれ事情」とは


熊谷かほ(左)、三浦桃香ら女子プロのウェアへ込められた思いとは

熊谷かほ(左)、三浦桃香ら女子プロのウェアへ込められた思いとは

 今年から本格的にゴルフを取材するようになった。そこで感じるのは女子プロたちのプレーはもちろん、外見も含めた華やかさだ。毎日色とりどりのウェアに身を包み、暑い日でも寒い日でも涼しい顔でゴルフに励む姿は、同性の私から見てもかっこいい。彼女らの戦闘服とも言えるウェアだが、選手たちは毎日どのようにして選んでいるのか? こだわりはあるのか? 第一線で活躍する選手たちに聞いてみた。

 まずは前週のパナソニックレディースで令和初優勝を飾った“黄金世代”の勝みなみ(20)=明治安田生命=から。優勝した日に着用していた黄色のショートパンツはとても似合っていたが、ウェア選びについては「母が前日に実際に着て、コーディネートしてくれています。私が決めるとセンスがなくて、柄×柄とかで攻めちゃうから『それは止めた方がいいよ』って言われます…」と意外な答え。試合前日にはホテルの部屋で、母・久美さん主催の“ファッションショー”が開催されるそうだ。

 今大会の場合、希望者は月曜の指定練習日に始まり日曜まで大会が行われるため、着用するウェアは単純に考えると上下7着ずつ必要だが「上だけで15~20着、下は30着ぐらいですかね? (メーカーから)いただいたやつは全部持ってきています」と勝。思いのほか多い数に驚いたが、ウェア用のスーツケースがあるそうで、いろんな組み合わせを楽しんでいる。こだわりを問うと「好きな物を好きな時に着る感じですね。自分のモチベーションを上げる服がいいので、当日に着てみて変だったら変えることもあります」と決まった服ではなく、その時の気分を最優先している。

 ウェアの数なら4月のスタジオアリス女子オープンで4位に入り、ブレイク必至の美人プロ熊谷かほ(24)=ウッドストックCC=も負けていない。会場への移動に使うマイカーの後部座席がクローゼット状態になっているといい「冬服も含めて全部入っています」と段ボールでいっぱいだとか。ウェア選びで大事にしているのは「見栄えですかね。スタイルが映える、シンプルなウェアを選ぶようにしています。ピンクが好きなので、気合が入る時はピンクが多いかな」と自然と好きな色を選んでしまうことが多いそうだ。

 験担ぎはせず、直感派の選手も多かった。今季2度の2位に輝いた吉本ひかる(20)=マイナビ=は「その時の気分で決めるので、逆にこれ!って決めつけないようにしています。最近は黒とかで、上下同じトーンで合わせるのにハマっています。引き締まって見えるので黒は好き」と話し、毎晩ホテルでウェアを並べ、コーディネートを考える時間がひとつの楽しみだという。菊地絵理香(30)=オンワードホールディングス=も「気分屋なので、こだわりはなく着たいものを着ています。でも明るい色は取り入れるようにしています。スカートの方がやりやすいので、最終日はスカートが多いかも」と明かした。

 かわいらしいルックスで人気のある三浦桃香(20)=フリー=は最近ウェアよりも、メイクにこだわっているそうだ。「これまではあまりしていなかったんですが、今季からファッションに合わせてメイクを変えるようになりました」とウェアの色に合わせて紫やピンクのアイシャドーにトライ。「紫にしたときは誰にも気付かれませんでしたけど…」と自虐気味に振り返ったが「これからはアイラインも描いてみたい」とさらなる女子力アップにも意欲を見せている。

 スカートにショートパンツ、ロングパンツ、半袖、長袖、ノースリーブと女子選手のファッションは様々だ。おしゃれな選手が本当に多く、取材の最中にも髪型やネイルも含め「真似したい!」や「この色使い可愛い!」と思う瞬間がたくさんある。9日から4日間は今季のメジャー初戦「ワールドレディスサロンパスカップ」(報知新聞社後援、茨城GC東C)が開催される。選手の華やかな装いに込められた思いも、ぜひ観戦の楽しみにしてほしい。(記者コラム・一般スポーツ担当 筒井 琴美)

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