◆全米女子オープン メジャー第2戦 米女子プロゴルフツアー第1日(30日、米サウスカロライナ州チャールストンCC)
初出場の比嘉真美子(25)=TOYO TIRES=が6バーディー、ボギーなしの65で回り、単独首位に立った。初出場選手の初日としては大会史上最少スコアで、日本人選手としては大会初の単独首位発進。歴史的デビューを果たした比嘉は1977年全米女子プロ選手権優勝の樋口久子以来、日本勢2人目のレギュラー海外メジャー制覇を狙う。アマのジーナ・キム(19)=米国=らが1打差の2位。成田美寿々(26)=オンワードホールディングス=も4打差7位と好発進した。
日本ツアー5勝の実力者、比嘉が世界最高峰といわれる大会で首位発進した。「ドキドキした」という言葉と裏腹に、長短のパットが次々とカップへ。全米女子オープン初出場ながら65のビッグスコアを記録。65は同大会では1989年最終日の岡本綾子に並ぶ日本人最高で「100点に近い。全てがリズム良くラウンドできた」と声を弾ませた。
晴天が続いてグリーンは硬さを増したが、練習場での感触や他選手のパットを観察し「早い段階で(速さに)気づけた」という。前半に3連続を含む4バーディーを奪うなど順応。「起伏の癖には目が慣れてきた」と感覚を研ぎ澄まして27パットに抑え、6バーディーを量産した。
成田、畑岡と日本人3選手のペアリングも追い風となった。成田の5バーディーや畑岡のイーグルを間近で見て「みんながいいプレーをしていたので楽しかった」と相乗効果を明かした。
初出場選手の初日としては大会史上最少スコア、大会初の日本人の単独首位発進で注目度は急上昇。記者会見では海外メディアから婚約中の「スモウレスラー」十両・勢(32)=伊勢ノ海=に関する質問も飛び出した。「あなたと彼、日本ではどちらが有名?」という質問には「分かりません」とさらり。「彼には楽しんでプレーして、と言われています」と落ち着いた表情で話した。
日本女子屈指のショットメーカーは強い精神面も持ち味。日本ツアー本格参戦1年目の13年に2勝を挙げ、すぐにトッププロになったが、その後、絶不調に。15年は17試合連続で予選落ちの屈辱を味わった。大スランプに陥ったプロの多くが表舞台から消える中、17年8月のNEC軽井沢72で4年ぶりに復活優勝を果たした。昨年の全英リコー女子オープンでは第3日に一時、首位に立つなど海外メジャー制覇に迫った。最終的に4位に終わったが、大舞台でも存在感を発揮した。
高まる注目の中で比嘉は「とにかく明日の私がベストを尽くせるように」と足元を見つめる。将来の“おかみさん”候補は、世界の舞台でも動じない心の強さを持っている。