◆女子プロゴルフツアー 大東建託・いい部屋ネットレディス 第2日(2日、山梨・鳴沢GC=6605ヤード、パー72)
第1ラウンド(R)の残りと第2Rが行われたが、2日連続で雷雲接近のため、8人を除きホールアウトできなかった。2024年に刷新される1万円札の肖像となる渋沢栄一と縁戚関係にある美人アマの渋沢莉絵留(りえる、18)が第1Rを67で2位発進し、第2Rも16ホールで4バーディー、1ボギーと3つ伸ばし、通算8アンダーで首位と2打差の暫定2位につけた。12ホールを消化し10アンダーの浜田茉優(23)=伊藤園=が暫定首位。
新1万円札の「顔」になる渋沢栄一とは「父の遠いつながりと聞いています」という渋沢莉絵留が“価値”あるショットを放った。第2Rの14番パー5。残り86ヤードの第3打を52度のウェッジでピン奥80センチにピタリとつけてバーディーを奪った。「攻めと守り。はっきりとしたゴルフができた」。暫定2位で第2日を終え、落ち着いた表情で話した。
この日は第1R未消化分の10ホールと、第2Rで16ホールの合計26ホールをプレー。今大会は34ホールで9バーディーを量産する一方、ボギーは1つだけ。日本の資本主義の父とされる実業家の渋沢栄一をほうふつとさせる見事な“マネジメント”を見せた。
プロツアーでは珍しく、自ら目土袋を持って、ショット跡を修復しながらプレーを続けている。莉絵留の由来については「悟りを得る、という意味でつけられたと聞きました。悟りを得るのは、まだこれからですね」と端正な顔をほころばせた。戸籍の正式な表記は「澁澤莉絵留」。実に計63画に及ぶ。「テストの時、最初に名前を書くのが大変でした!」と笑った。
逸材がそろう2000年度生まれの「プラチナ世代」。メジャーの全英女子オープンに参戦中の安田祐香(18)=大手前大=と全く同じ12月24日生まれだ。今秋に強力なライバルとともにプロテストに挑むが、その前に大きなチャンスをつかんだ。今大会は雷の影響で中断が繰り返される“グダグダ”の展開。第3日以降も長丁場を強いられ体力勝負となった場合、暫定2位につける18歳が大金星を挙げる可能性もある。アマで史上7人目の優勝を果たせば、プロテストを受けずにプロ転向が可能になる。(竹内 達朗)
◆渋沢 莉絵留(しぶさわ・りえる)2000年12月24日、群馬・太田市生まれ。18歳。9歳からゴルフを始める。中学卒業後、ゴルフ強豪校の福岡・沖学園高に進学。今春、卒業した。得意クラブはドライバーで平均飛距離は240ヤード。目標とする選手はタイガー・ウッズ(米国)。160センチ、62キロ。