穴井詩、2年ぶりV「渋ちゃんの笑顔を見ると元気になる」


表彰式で優勝した穴井詩(左)に拍手を送る渋野日向子(カメラ・頓所 美代子)

表彰式で優勝した穴井詩(左)に拍手を送る渋野日向子(カメラ・頓所 美代子)

 ◆女子プロゴルフツアー NEC軽井沢72最終日(18日、長野・軽井沢72G北C=6705ヤード、パー72)

 3打差8位で出た穴井詩(らら、31)=ゴルフ5=が7バーディー、ボギーなしで、この日のベストスコア65をマーク。通算14アンダーで並んだ韓国のイ・ミニョン(27)=Qセルズ=とのプレーオフ(PO)を1ホール目で制し、17年7月以来の通算3勝目を挙げた。1打差3位の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=と大会前に初めて同組で練習ラウンドし発奮した。渋野は今週のCATレディースを欠場し、29日開幕のニトリレディスに出場する。

 避暑地・軽井沢を、ツアーNO1の飛ばし屋が熱くした。18番で行われたPO1ホール目。イが5メートルのパーパットを外し、穴井が数十センチのパーパットを沈めて優勝。「まさか今日勝てるとは思っていなかった。もともと緊張しいで、プレーオフで手足がガクブルしていました」と明かした。

 今大会開幕前の14日、渋野と初めて同組で1番から9ホールの練習ラウンド。「ティーショットもアイアンもすごくうまい。渋ちゃんの笑顔を見ると、すごく元気になる」。時の人のプレーを間近で見て感嘆した。昨年からコンビを組む扇真之介キャディー(28)は、「すごく刺激になった、と言っていましたね」と明かした。

 この日は“渋野ばり”にグリーン上がさえた。3日間最少の26パット。12番で12メートル、13番で7メートル、14番で3メートルを沈める3連続バーディーで単独首位に立った。今春、米男子メジャー4勝のブルックス・ケプカと同じアイアンセットを9万5000円で購入した。今週から再投入し、今大会のパーオン率は83・33%。「ケプカやイ・ミニョンが使って結果を出していたので。これで元が取れましたねぇ~」と、豪快に笑った。

 今季獲得賞金は、14年の自己最高額(約6578万円)を更新する約6827万円。賞金ランクも10位から4位へ躍進した。初の賞金女王も射程に入れ、「1億円は超えたいと思っています」。抜群の飛距離を武器に、ゴルフ人生最高のシーズンを送る。(榎本 友一)

 ◆穴井 詩(あない・らら)1987年11月11日、愛知・岡崎市生まれ。31歳。11歳でゴルフを始める。今季の平均飛距離259・20ヤードはツアー1位。2012年に46位で初の賞金シード入り後、7年連続で賞金シードを獲得中。井上陽水の曲をギターで弾く趣味を持つ父が、「音楽好きになってほしい」と願い命名した。家族は両親、兄、姉。165センチ、58キロ。

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