金谷拓実、アマ優勝に王手…大会新&ツアー自己最少の63で単独首位に浮上


1番で富士山をバックにティーショットを放つアマチュアの金谷拓実

1番で富士山をバックにティーショットを放つアマチュアの金谷拓実

 ◆男子プロゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ 第3日(16日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)

 アマチュア世界ランク1位の金谷拓実(21)=東北福祉大3年=が8バーディー、1ボギーで大会コースレコード&ツアー自己最少の63をマークし、通算8アンダーで5打差16位から単独首位に浮上。1973年のツアー制施行後では、2011年大会の松山英樹以来4人目のアマ優勝に王手をかけた。ショーン・ノリス(37)=南アフリカ=、09年全米プロ覇者のY・E・ヤン(47)=韓国=が1打差の2位。

 日本人で松山以来2人目の世界ランク1位に立ったスーパーアマ・金谷が主役になった。最終18番。2メートルのバーディーパットを沈め、右拳を振り下ろしてほえた。大学の先輩・松山の監修によりパー70に改修されたコースで、昨年の秋吉翔太の64を1打更新。後続に1打差をつけてツアー初の首位に立ち「ショットもパットもすごく調子が良くて、いいプレーができました」と振り返った。

 晴天続きで硬さと速さの増した高速グリーンに苦戦するプロが多い中、この日最少タイの26パット。14番で1メートルを沈めて首位に並ぶと、15番は5メートルを決めて単独首位に躍り出た。ラウンド後のインタビューで「(11年大会でアマVを飾った)松山選手からは『プロのトーナメントで勝ったら俺みたいになれるぞ』と言われたので、明日も頑張ります」と秘話を明かすと、18番グリーンを取り囲んだ観客から大歓声が起きた。

 最終日最終組は17年の日本オープン以来2度目。池田と優勝を争うも1打差2位に敗れ「パットのミスで負けた。あの悔しさがあったから、去年もアジアアマで優勝して(今年)マスターズにも出られた」と脳裏に深く刻まれている。約2年ぶりに訪れた雪辱のチャンス。「アマチュア優勝した選手はたくさん活躍されている方だし、自分も優勝する気持ちで明日はプレーする」。世界遺産・富士山の前で、トッププロへの扉をこじ開ける。(榎本 友一)

 ◆金谷 拓実(かなや・たくみ)1998年5月23日、広島・呉市生まれ。21歳。5歳でゴルフを始め、広島国際学院高2年時の日本アマ選手権で17歳51日の大会最年少V。同年の日本オープンは11位で大会最年少ローアマ。昨年のアジアパシフィック・アマ選手権を制し、今年のマスターズで58位。全英オープンは予選落ち。「生粋のカープ男子」で、日本代表の4番・鈴木誠也(広島)の活躍に発奮中。172センチ、73キロ。家族は両親と兄。

最新のカテゴリー記事