◆日本女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ 最終日(29日、千葉・カメリアヒルズCC=6622ヤード、パー72)
昨季の賞金女王・鈴木愛(25)=セールスフォース=は、渡辺とのプレーオフ(PO)に敗れて2位に終わった。「勝たなきゃ意味がない」と悔しがったが、生涯獲得賞金が日本人最速で7億円を突破。史上3人目となる3度目の賞金女王に向けては好発進となった。
意地と実力を見せつけての2位にも、鈴木は悔しさを隠しきれなかった。「優勝争いをして負けているのでうれしくもないし、勝たなきゃ意味がないので残念としか言いようがない」。首位と4打差の4位スタートも何のその、バーディーを重ねて上位勢を猛追した。2、3日目と池ポチャしていた“鬼門”の9番もパーで乗り切り、通算17勝目まであと一歩まで迫っての敗戦。生涯獲得賞金が横峯さくらの196試合を超え、日本人最速となる174試合目で7億円を突破したが、終始表情はさえなかった。
しかし戦友から得たものも大きかった。POを戦った1歳上の渡辺とは、かつて日本代表として日の丸を背負った仲。ウィニングパットを間近で見届けると爽やかな表情で拍手を送り、ハグで祝福した。「私にはできないゴルフをする選手。勉強になることも多いし、久しぶりに回れて楽しかった」。黄金にミレニアムと若手の台頭が顕著だが、若い世代にはまだまだ負けるつもりはない。3度目の賞金女王獲得となれば不動裕理、アン・ソンジュに続く3人目となる。次戦まで時間は空くが、快挙を目指し鈴木はさらにエンジンをかけていく。(筒井 琴美)