笹生優花、記録づくめ!初優勝から2戦連続V 夢の「世界一」実現だ


2戦連続優勝を決めてトロフィーを手にポーズを見せる笹生優花

2戦連続優勝を決めてトロフィーを手にポーズを見せる笹生優花

 ◆女子プロゴルフツアー ニトリレディス最終日(30日、北海道・小樽CC=6695ヤード、パー72)

 首位から出た笹生優花(19)=ICTSI=が5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71で回り通算13アンダーで2戦連続優勝を飾った。19歳71日での達成は畑岡奈紗、宮里藍に次ぐ年少3位の記録。初Vから2戦連続は史上3人目となった。開幕3戦2勝で賞金ランク首位に浮上した大物ルーキーは「子供の頃からの夢、世界一に向かって頑張りたい」と宣言した。72の小祝さくら(22)=ニトリ=が11アンダーで2位となった。

 最終18番、1メートルのパーパットを落ち着いて沈めた笹生は、キャディーと肘タッチで祝福した。「寒い中、アンダーパーで回れて良かった。うれしい」。前戦、NEC軽井沢72は伸ばし合い。ツアー屈指の難コースの今週は強風に雨の悪条件で耐える展開の中、全選手唯一の4日連続アンダーパーで実力の違いを見せた。

 悪天候で2時間半遅れの開始にも、大物ルーキーは動じなかった。7時にコース入りし、練習まで4時間ほどクラブハウス内を「ぶらぶらしたりストレッチして過ごした。寝たら失礼じゃないですか(笑い)」とリラックスして最終日へ。2番で第2打が木に当たって池に落ちるダブルボギーで一時首位から陥落も「入れ替わっちゃった。まあいいかな」と、あっけらかん。終盤までスコアボードを気にせずプレーに集中した。

 6番で単独首位に立つと一度も譲らず。圧巻は12番パー3、残り19ヤードからチップインバーディーで「今週ずっと転がす練習をしていた」とうなずいた。「パットはそんな得意ではない」と謙遜するが、最難関16番は2メートル半を沈めパーセーブし、流れを渡さなかった。

 19歳71日での2戦連続Vは日米8勝の畑岡、同24勝の宮里に次ぐ年少3位。「奈紗さんは米国で、宮里さんは日本でやって、米国でも頑張っていたので、近づいた気持ちはない」としながら「畑岡さん、宮里さんが(10代で)やったことを自分もやったんだな」と感慨深げに話した。賞金ランクは3試合目で首位(5904万円)に立ったが「うれしいけど、全然意識はない」と平然。「目標は変えない。子供の頃からの夢、世界一に向かって頑張りたい」と、10年に世界ランク1位になった“藍ロード”を見据えた。

 開幕から3戦2勝と“女タイガー・ウッズ”の呼び名にふさわしい盤石の強さ。リモート会見では恒例となった前夜の食事メニューの質問に「何食べたでしょうか?」「焼き肉、正解!」とノリノリで大物感たっぷりだ。「世界一」実現へ、世界ランクは117位から72位前後に浮上する見通し。「まだ始まったばかりで、この先も長い」。初優勝から3試合連続Vなら史上初。ツアー3連勝は07年全美貞(韓国)、19年鈴木愛の2例だけ。次週のゴルフ5レディス(9月4日開幕、岐阜)でも笹生の勢いは止まらない。(岩原 正幸)

 ◆笹生 優花(さそう・ゆうか)

 ▽二重国籍 日本人の父・正和さん(62)と、フィリピン人の母・フリッツィさん(42)との間に生まれ、二重国籍。

 ▽ゴルフ歴 5歳から4年間は日本に滞在し、8歳の時、フィリピンでゴルフを始める。14歳で出場した同国ツアーで優勝。18年アジア大会で金メダル。19年オーガスタ女子アマ3位。代々木高在学時の昨年11月のプロテストに合格。ジョージア大進学が決まっていたがプロへ。

 ▽語学堪能 日本語、英語、タガログ語が堪能で韓国語、タイ語も少し話せる。

 ▽好物 食べ物はカレー。好きなことは寝ること、釣り。きょうだいでキャッチボールを楽しむこと。

 ▽師匠 昨年11月に尾崎将司(73)に弟子入り。同門には原英莉花(21)、西郷真央(18)。

 ◆笹生が達成した主な記録(1988年のツアー制施行後)

 ▼初優勝からの2戦連続Vは史上3人目 90年の西田智慧子、05年の表純子以来。(17年に達成した畑岡奈紗は16年にアマで1勝)

 ▼19歳71日での2戦連続優勝は年少3位 畑岡奈紗(17年、18歳261日)、宮里藍(04年、19歳1日)に次ぐ。

 ▼日本ツアー2勝達成も年少3位 畑岡奈紗の18歳254日、宮里藍の18歳262日に次ぐ。

 ▼生涯獲得賞金5000万円突破は史上最速 3試合で達成。申ジエ(韓国)、畑岡奈紗の8試合を大幅に更新。

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