男子プロゴルフツアーのフジサンケイクラシックは3日から4日間、山梨・富士桜CC(7566ヤード、パー71)で行われる。1月以来の今季ツアー2戦目で、国内初戦。石川遼(28)=カシオ=は2日、10番から9ホールの練習ラウンド(R)で最終調整した。リモートでの公式会見に出席し、メジャーの全米オープン(17日開幕・ウィングフットGC)を見据え、約6年ぶりに新兵器5ウッドを投入すると明言。新型コロナウイルス禍で12年ぶりの賞金王に返り咲き、ファンや日本を元気づける。
賞金王争いは、昨季まで5年連続で最終戦までもつれてきた。新型コロナの影響で開催中止が相次ぎ、20―21年統合で約1年半の異例のシーズンとなったが、20年は最多でも6試合のみ。今季も来年の最終盤まで賞金王は決まらない大混戦になると予想する。
新型コロナに関連して、日本入国に際して2週間の隔離などのある現状が続けば、2年連続賞金ランク2位のS・ノリスら外国人選手にとっては試合数や調整面で不利となりそうだ。一方で今年は「海外での活躍」を目標としていた今平周吾は、04~06年の片山晋呉以来となる国内3季連続賞金王に照準を切り替えた。
復権を期す実力者は多い。09年賞金王・石川遼は昨年3勝を挙げて賞金ランク3位と復調した。16年賞金王・池田勇太はひげを蓄えて心機一転。通算21勝で永久シード獲得まで残り4勝と迫っている。17年賞金王・宮里優作も欧州ツアーから主戦場を戻し、再起を図る。
重圧のかかりにくい無観客での試合が続けば、国内女子同様に新人や若手の台頭も予想される。世界ランク142位の星野陸也、昨季アジアン下部ツアー賞金王の新人・関藤直熈は飛躍が待たれる。
賞金王の行方は、来夏の東京五輪代表にも直結する。世界ランク20位の松山英樹(28)に続く、1枠の争い。ともに海外メジャー切符を持つ同64位の今平、108位の石川のモチベーションは高い。試合数が増える分、01年伊澤利光の2億1793万4583円の史上最高額を更新する記録的なキング争いを期待したい。(ゴルフ担当キャップ・榎本 友一)