松山英樹、新ドライバー絶好調「久々にいい形でプレーできた」フェアウェーキープ率1位


 ◆米男子プロゴルフツアー 第120回全米オープン第2日(18日、米ニューヨーク州ウィングドフットGC)

 3人の競技が終わらず日没順延となった第1ラウンド(R)の残りが行われ、8年連続出場の松山英樹(28)=LEXUS=は2バーディー、3ボギーの1オーバー、71で首位と6打差の33位につけた。2大会前から投入した新ドライバーが絶好調で、フェアウェーキープ率は全体1位に並ぶ71・43%。「久々にいい形でプレーできた」と17年には日本人歴代最高の2位に入り、ラフが深く総合力が問われる大舞台で、日本男子初のメジャー制覇に挑む。65をマークしたジャスティン・トーマス(27)=米国=が単独首位発進を決めた。

 日本のエースがモンスターコースで、優勝への“王道”を突き進んだ。最終18番。松山の入ればイーブンに戻せた1メートル半のバーディーパットは、カップ左に切れた。落胆の色を見せたが、大会屈指の難コースで71は悪くないスタート。「久々にいい形でプレーできた」と納得顔でうなずいた。

 ラフの深い難関コースで、正確なティーショットが際立った。パー3を除く14ホールのうち、この日最多に並ぶ10ホールでフェアウェーを捉えた。ともに、マスターズ王者のリード(米国)とスピース(米国)と同じ注目組。昨季はフェアウェーキープ率56・98%でツアー149位だった松山だが、この日はテレビクルーを引き連れながら安定したプレーでフェアウェー上を歩いた。

 327ヤードのビッグドライブを見せた5番でバーディーを先行させ、ボギーが続いた後の15番も1メートル強に寄せて盛り返した。この日の平均飛距離は326・80ヤードの25位。正確さだけでなく、力比べでも引けをとらない。8月末の2戦前から契約する住友ゴム工業の新ドライバーを投入。感覚とコースに合ったものを追い求め、今大会前も10本近いシャフトをテスト。球が上がりやすい「スリクソン ZX5」を選択した。

 ただ、対照的にパット数は31と多め。前戦で使った長年愛用するエースパターではなく、2戦前に使って3位に入った黒いパターを再投入。12、13番は3パットのボギーをたたき「うまくいかなかった。パットがうまくいけばいいゴルフができる」と課題に挙げた。

 今大会前、主催の全米ゴルフ協会関係者は「優勝スコアは8オーバー」と予想した。1999年以降の全米オープン、また直近33大会のメジャーでは、初日6打差圏内から大会覇者が誕生しており、松山はV圏内と言える。

 ホールアウト後は「やりたいことがある」と練習場にこもった。第2日以降は気温が15度前後まで冷え込む予報。風も吹き、難度は増すと予想され、我慢比べの展開が想定される。高精度のアイアンショットに巧みな寄せで松山は我慢合戦は得意だ。17年には日本人メジャー歴代最高に並ぶ2位。“王道”を歩いて、自身31度目のメジャーで世界の頂点をつかむ。

 ◆全米オープン 4大メジャーの中で全英オープンに次ぐ歴史を持つ。1895年に始まり今回が120回目。全米ゴルフ協会(USGA)主催で毎年6月にコースを変えて行われ、9月開催は107年ぶりで無観客は初。フェアウェーは狭く、ラフは深く設定されるため「最も難しいメジャー」の異名を持つ。優勝スコアは例年「イーブンパー」が想定される。今大会と同じウィングドフットGC開催は過去5度で06年は5オーバー、84年は4アンダー、74年は7オーバー、59年は2オーバー、29年は6オーバーが優勝スコア。

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