
1番、グリーンでラインを読む原英莉花。スコアを12アンダーとし単独首位に立った(カメラ・渡辺 了文)
◆女子プロゴルフツアー ▽メジャー第2戦・日本女子オープン 第3日(3日、福岡・ザ・クラシックGC=6761ヤード、パー72)
2位から出た原英莉花(21)=日本通運=が7バーディー、1ボギーの66で回り、通算12アンダーで2位に4打差をつけて単独トップに浮上した。メジャー初制覇に王手。首位から出た小祝さくら(22)=ニトリ=は73で8アンダーの2位に後退した。
黒のシックなウェアに身を包んだ原は、鬼気迫る表情で7バーディーを重ねた。心は熱く、頭は冷静に。9番で12メートル、17番で8ヤードのチップインを決めても笑みは見せない。ツアー最長コースで平均飛距離250ヤード超のパワーを生かし今季ベストに並ぶ66。「今週は集中できていてすごく楽しい。表情は硬いかもしれないが、心は笑っている」と、美人プロはうなずいた。
3打差をつけられていた小祝を序盤で捉えると、逆に4打差をつけた。「終始いいプレーでよかった」。最少の24パットとグリーン上が絶好調。試合のなかった先週に「パットのデータを計測した」といい、「バックスピンがかかる傾向があり、真っすぐスピンがかかるよう練習した。前に回転させるイメージです」と胸を張った。
さらに先週は、千葉に師匠・尾崎将司(73)を訪ね、ジャンボ邸で激励を受けた。今季トップ10が2度あるが、なかなか波に乗れない原。「私が自信なさそうにしていたら『お前、来週(女子)オープンじゃないか』と喝を入れていただいた。ジャンボさんにとって(日本一決定戦の)日本オープンは大きなものなんだと再確認して、強い気持ちで挑むことができた」と、日本オープン5勝のレジェンドに感謝した。
師匠から激励とともにアイアンのシャフトも渡され「今までで一番いいと背中を押され(今週から)使わせていただいている」。メジャー前の用具変更は距離感を合わせる難しさもあるが「アイアンの飛距離が伸びた分、ユーティリティーを1本抜き、ウッド2本(3、5番)でいいセッティングができた」と対応力が光った。
今大会は6度目の出場。5位で予選通過した昨年は3日目にぎっくり腰に見舞われ、最終的に52位と悔しさを味わった。初メジャータイトルをかけた最終日へ「変わらず攻めて、冷静さも失わずに戦いたい」と自らに言い聞かせた。(岩原 正幸)
◆小祝さくらは2位に後退
小祝は5番のダブルボギーなど前半39と崩れ、2位に後退。「大変な一日だった。流れもよくなかった」。一時は原に6打リードを許したが、最終18番で6ヤードからチップインバーディーを奪い、4打差で逆転に望みをつないだ。「最終日は何が起こるか分からない。悔いのないよう攻めのゴルフをしたい」。2日連続で同学年・原との2サムの最終組対決で巻き返しを誓った。