通算１３アンダーで逆転優勝を果たし、万歳して喜ぶ岡山絵里（カメラ・渡辺 了文）
◆女子プロゴルフツアー アクサレディス 最終日（２８日、宮崎・ＵＭＫＣＣ＝６５６８ヤード、パー７２）
降雨による３９分の中断を挟み、５打差４位で出た岡山絵里（２４）＝ニトリ＝が５バーディー、ボギーなしでベストスコア６７をマーク。通算１３アンダーで、最終日逆転で１８年５月のリゾートトラストレディス以来の２勝目を手にした。昨年１１月から師事する南秀樹コーチ（４７）の下で小技を磨き、約７２０万円の高級アメリカ車「シボレー・カマロ」を一括で購入してやる気を加速させて歓喜の涙を流した。１９年大会覇者の河本結（２２）＝リコー＝が１打差の２位だった。
強い雨風の中、オフに磨いた小技を武器に岡山がＶ戦線を駆け上がった。河本と首位に並んで迎えた１８番パー５。残り３０ヤードから５１度ウェッジでの３打目をピン上２・５メートルへ。バーディーパットを沈めると右拳を揺らした。ロッカーでバナナを食べている時に優勝を知った。「泣きながら残りのバナナを食べた。（２勝目まで）長かった。去年は（得意の）ショットがすごい悪くて。一昨年は優勝できない自分にいらだちと焦りがあった」と打ち明けた。
昨年１１月。１７、１９年賞金女王のパット巧者・鈴木愛を育てた南コーチと契約。オフは今年２月まで香川県内で合宿し、アプローチとパターを重点的に改良。「パットは点でボールを打とうとしていたのを面で打つようにした。アプローチは３０～５０ヤードをゆっくり飛ばす練習から」と振り返った。
自身への“ニンジン作戦”も奏功した。南コーチから「プロなんだから好きな物を買えば良い」と勧められ、オフに新車の黒のカマロを購入。３０日に納車予定で「（映画）『トランスフォーマー』に憧れて、２年前から欲しくて。カマロ代を稼がないと」と奮起し、倍額の優勝賞金１４４０万円を手にした。「次はなるべく早く３勝目を挙げたい」と岡山。ツアー屈指のショットメーカーは、アメ車に乗って次なる勝利へと加速する。（榎本 友一）
◆岡山 絵里（おかやま・えり）１９９６年６月４日、大阪・交野市生まれ。２４歳。父・宗成さんに勧められ８歳でゴルフを始める。大商大高で関西女子アマなどで優勝し、１４年に日本代表に選出。１５年７月のプロテストに一発合格。１６年から、１８年の１０位を最高に連続で賞金シードを獲得中。日本ツアー通算２勝。１８年ＡＩＧ全英女子オープン５２位、２０年全米女子オープン１３位。１６１センチ、６４キロ。家族は両親、兄２人、姉。
◆岡山の優勝用具 ▽１Ｗ＝スリクソンＺ７８５（ロフト角９．５度、硬さＳ、４５インチ）▽３Ｗ＝スリクソンＺＦ８５▽３、４ＵＴ（１９度、２２度）＝スリクソンＺＨ６５▽５～９Ｉ、ＰＷ＝スリクソンＺ５８５▽ウェッジ（４６、５１、５７度）＝クリーブランドＲＴＸ４▽パター＝オデッセイ・ホワイトホットＯＧ７Ｓ▽ボール＝スリクソンＺ―ＳＴＡＲ（パター以外は住友ゴム工業社製）