米男子ゴルフのメジャー21年初戦、マスターズは8日(日本時間同日夜)から4日間、米ジョージア州オーガスタナショナルGCで開かれる。米ツアー日本人歴代最多5勝の松山英樹(29)=LEXUS=は6日、9ホールの練習ラウンド(R)などで調整。8年連続10回目の出場となり、日本勢では青木功、尾崎将司、中嶋常幸の“AON”以来4人目の2ケタ出場で歴代最年少。節目の大会で日本男子悲願のメジャー制覇に挑む。TBSで大会リポーターを務める芹澤信雄(61)が、“ゴルフの祭典”の展望を占った。
コロナ禍の影響で昨年11月から、わずか5か月で迎えるマスターズ。これは初めてのことですが、前回大会で成績の良かった選手は、良いイメージを持ったまま試合に入れると思いますね。その点で、連覇を狙うジョンソンが優勝候補の本命です。話題のデシャンボーは昨年は攻め過ぎていました。オーガスタでは、守るホールは守らないと勝てません。
パトロン(観客)が2年ぶりに戻ります。観客席はなく、雰囲気的には昨秋の大会に近い。ただ、昨年は秋開催でグリーンが軟らかくて、大会新記録の通算20アンダーでの優勝者が出ました。今春はグリーンの硬さも速さも一昨年までに戻り、大会側もスコアが伸びにくいセッティングにしてくると予想しています。
日本人で唯一、出場する松山選手は、状態的には今年は良くはないです。それでも、10度目のマスターズにかける気持ちは大きい。世界ランク50位以内に13年からずっとキープしているのはものすごいことですよ。僕は、4大メジャーの中で一番、松山選手が勝つチャンスのあるのがこの大会だとみています。オーガスタで勝つのに必要な高弾道と精度の高いアイアンショットを持っている。昨年同様に予選Rから60台で入れれば、パット次第で優勝争いに加わると期待します。(プロゴルファー)
◆芹澤 信雄(せりざわ・のぶお)1959年11月10日、静岡・御殿場市生まれ。61歳。御殿場西高で国体スキー出場。18歳でゴルフを始め、82年にプロ転向。日経カップでツアー初優勝した87年から10年間賞金シード入り。96年日本マッチプレー選手権プロミス杯など通算5勝。2010年富士フイルム選手権でシニアツアー1勝。12年賞金王・藤田寛之、宮本勝昌、西山ゆかりらを弟子に持つ。173センチ、70キロ。