◆女子プロゴルフツアーフジサンケイレディス第2日(24日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6439ヤード、パー71)
9位から出た山下美夢有(19)=加賀電子=が7バーディー、1ボギーの65で回り、通算9アンダーで首位に立った。前週のKKT杯バンテリンレディスで初優勝した新人がツアー史上最年少の初優勝からの2週連続Vに王手。関西オープンで男子プロツアー初参戦の弟・勝将(まさゆき、18)=近大1年=はアマトップの21位と健闘中。「姉優勝&弟ローアマ」の同時タイトルの期待もかかる。1打差の2位は稲見萌寧(21)=都築電気=。さらに1打差の3位に田辺ひかり(24)=伊藤園=らが続く。
19歳のルーキー山下は、同組の原英莉花と渡辺彩香というトッププロに負けない実力を発揮した。18番パー4で14メートルのロングパットをねじ込み、首位に立った。
身長は原英が173センチ、渡辺が172センチ。山下は150センチと小柄だが、存在感では決して劣らなかった。「原さんと渡辺さんはドライバーショットが飛ぶことは分かっていたので、自分は自分のプレーができれば、と思っていた。今日はティーショットが安定し、ロングパットも入ってくれた。これが私のプレースタイルです」。前週のツアー初Vで得た自信がにじんだ。
昨年、笹生優花がNEC軽井沢72とニトリレディスで、19歳71日とツアー史上最年少で初優勝から2大会連続Vを飾ったが、両大会はコロナ禍の影響で隔週開催。山下が今大会を制すると、19歳266日でツアー史上最年少の初Vからの2週連続Vとなる。快挙に向け、「自分のプレーに集中します」と表情を引き締めた。
さらに、もう一つの快挙達成の期待がかかる。弟の勝将が関西オープンで31位からアマトップの21位に浮上。姉は優勝、弟はローアマの同時タイトルのチャンスをつかんだ。
オフの間は、ほぼ毎日、一緒に練習ラウンドを行う仲良しきょうだい。山下はすでに今季4155万6914円を稼いでいるが、大学1年の弟はプレゼントのおねだりをしたりすることはないという。「練習では球拾いとかしてくれます。できた弟です。私も負けないように頑張りたい」と笑いながら話す。
これまでツアーで2大会連続優勝を果たした10代選手は、宮里藍、畑岡奈紗、笹生の3人だけ。今の山下にはビッグネームに続くような勢いがある。(竹内 達朗)