強すぎる稲見萌寧、今年8戦4勝! 心技体すべてを兼ね備える


通算12アンダーで逆転優勝を果たし、優勝杯を手に笑顔の稲見萌寧(カメラ・今西 淳)

通算12アンダーで逆転優勝を果たし、優勝杯を手に笑顔の稲見萌寧(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ▽フジサンケイレディス最終日(25日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6439ヤード、パー71)

  首位と1打差の2位からスタートした稲見萌寧(21)=都築電気=が、5バーディー、1ボギーの67で回り、通算12アンダーで逆転優勝を飾った。18年大会を通算10アンダーで制した永峰咲希(25)=ニトリ=の大会記録を更新する圧勝。通算6勝目。コロナ禍で20年と21年が統合された今季5勝目。今年8戦4勝目で優勝確率5割という驚異的な強さを見せている。優勝賞金1440万円を獲得し、今季の獲得賞金は1億188万8216円となり、初めて大台を突破。賞金ランクは4位から3位に浮上した。賞金ランク首位の小祝さくら(23)=ニトリ=、同2位の古江彩佳(20)=富士通=らと賞金女王争いに挑む。

 絶好調の稲見が1番で、いきなり、流れをつかんだ。1番パー4の第1打を左バンカーに曲げたが、第2打を9アイアンでパーオンに成功。8メートルのバーディーパットをねじ込み、早くも首位の山下美夢有(19)=加賀電子=と並んだ。2番パー4の第2打は8アイアンでピン手前2メートルへ。連続バーディーで単独首位に立った。

 終わってみれば、そのまま、首位を譲らずに優勝。今年8戦で早くも4勝を挙げた。4月に限っては4試合で3勝。「別に4月は好きではありません。何なら嫌いですかね。花粉は飛ぶし、風は強いし」と稲見は笑顔で話した。今季の獲得賞金も1億円を突破。「自分でもびっくりです」

 ツアー屈指のショットメーカーは、メンタルも強い。稲見は、本来であれば、最終組で同組だった韓国の申ジエ(32)=スリーボンド=が先に第1打を放つ4番、10番で先にティーショット。「私が準備が出来ていたので。進行の問題です」と冷静に話した。

 第1打の打順は前のホールでスコアが良かった選手が先に打つことが原則だが、打順が入れ替わっても双方の選手にペナルティーはない。2019年のルール改定では準備ができた選手から先に打つ「レディー(準備)ゴルフ」が推奨されている。

 21歳の稲見は体力面も優れている。「疲れていますよ」と言いながらも継続的にトレーニングを続け、全試合に出場予定だ。

 コロナ禍のため、20年と21年が統合された今季で早くも5勝目。不動裕理が2003年に記録した年間最多10勝のツアー記録の更新の期待もかかる。

「優勝数の目標はありません。勝てるだけ勝ちたい」。心技体。3拍子そろった稲見の快進撃は続く。

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