大里桃子、3差逆転優勝へ 両親からアスリートの資質…名前の由来は菊池桃子


18番、ホールアウトし笑顔を見せる大里桃子

18番、ホールアウトし笑顔を見せる大里桃子

◆日本女子プロゴルフツアー メジャー第4戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第3日(8日、茨城・茨城GC東C=6630ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 6位から出た1998年度生まれ「黄金世代」でツアー1勝の大里桃子(22)=伊藤園=が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算9アンダーで首位と3打差の2位に浮上した。前週は上田桃子(34)=ZOZO=との“桃子プレーオフ”に敗れ2位となった雪辱のチャンス。故郷・熊本で見守る母・美弥さんに逆転で「母の日V」を届ける。高橋彩華(22)=東芝=が12アンダーでトップを守り、初優勝に王手をかけた。

 無観客の静けさの中、大里は終始リラックスした表情で回った。1番で2・5メートルの下りのバーディーパットを沈めると、3番で1・5メートルがカップに蹴られるボギーも動じなかった。4番で4メートルを決め、6、8番でも伸ばした。69の好スコアに「自信を持ってパットが打てている。気持ちいいゴルフが続いてうれしい」と声を弾ませた。

 両親からアスリートとしての資質を受け継いだ。以前は大里のキャディーで、ハンディキャップ0の腕前を持つ父・充さんは短距離、母は走り高跳び、ハードルの選手だった。2人きょうだいで当初は「プロゴルファーに育てたかったのは兄の方」(充さん)だったため、兄はジャンボ尾崎にちなみ「将司」と命名された。妹の大里は「プロになれなくてもゴルファーの妻になってくれれば」と、女優の菊池桃子(プロゴルファー西川哲の元妻)が由来。実際には兄はゴルフとは関わらず、妹がプロになった。

 171センチと恵まれた体格で得意のショットを武器に18年にツアー1勝。だが、19年前半から極度のパット不振に陥り、一時は50センチの距離も自信を持って打てなくなった。握りやグリップの長さを試行錯誤しながら復調した。前週のパナソニックオープンでは同じ熊本出身の上田との“桃子対決”のプレーオフに敗れ2位。「今週もこの位置にいられて幸せです」。さっそくメジャーの舞台で雪辱のチャンスが巡ってきた。

 同学年の高橋を3打差で追う。勝てば黄金世代では4人目の国内メジャー優勝で、仲のいい渋野日向子(19年)に続く大会覇者となる。最終日は母の日。中学教師の母は3月、宮崎で行われた有観客試合に観戦に訪れた。「毎年プレゼントを何かしようと思っているけど、できていない。肩たたき券でもあげようかな」とおどけながら、「喜んでもらえるように頑張りたい」と故郷の母に全力プレーを届ける。(岩原 正幸)

 ◆大里 桃子(おおさと・ももこ)1998年8月10日、熊本・玉名郡生まれ。8歳からゴルフを始める。熊本国府高3年時の2016年、九州ジュニア優勝。17年のプロテストは1打及ばず不合格となったが、18年7月に2度目の挑戦で合格。翌月のCATレディースでツアー初優勝。ドライバーの平均飛距離は250ヤード。今季は賞金ランク24位。家族は両親と兄。171センチ、60キロ。

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