◆日本女子プロゴルフツアー メジャー第4戦 ワールドレディスサロンパスカップ 最終日(9日、茨城・茨城GC東C=6630ヤード、パー72、報知新聞社後援)
3差2位から出た西村優菜(20)=スターツ=が6バーディー、1ボギーの67で、大会コースレコードを1打更新する通算14アンダーで昨年11月の樋口久子・三菱電機レディス以来のツアー通算2勝目を飾った。2000年度生まれ「ミレニアム世代」初のメジャー優勝で3年シードを獲得。母の日の恩返しVに涙した。自身が憧れる15年大会覇者で海外メジャー2勝の田仁智(韓国)が主戦場とする米ツアー挑戦の思いも口にした。
30センチのウィニングパットを沈めると150センチの西村は両手を高く上げて喜んだ。大会コースレコードの14アンダーで2位に3打差をつけてのメジャー制覇。「後半に優勝を意識してギアを上げて、強い気持ちでプレーした」と興奮気味に振り返った。
優勝インタビューでは母・枝里子さん(45)への気持ちがあふれ出た。「やりたいことを犠牲にして、私のゴルフに付いてきて支えてくれている。この日に勝てて良かった。『いつもありがとう』と伝えたい」。母の日に恩返しVを贈り、涙した。大阪の自宅には中学1年の弟がいるが、西村と母はほとんど遠征生活で「弟もお母さんと一緒にいたいだろうけど」と気遣った。今週もホテル予約から会場への送迎まで献身的にサポートする母に、無観客でプレーを見せられない中、最高のプレゼントを届けた。
笑顔が印象的な20歳だが、勝負どころでは気合の入った表情を見せた。1打追う12番、1・5メートルのバーディーで首位に並び、続く13番で3メートルをねじ込みガッツポーズ。今大会で初めて単独トップに立った。ツアー最速14フィートの高速グリーンを攻略。全選手で唯一4日間60台をマークし、技術の高さを生かした。国内メジャーで3度目の最終日最終組を制し、前回のツアー優勝(6打差3位から)と同じ逆転でミレニアム世代でメジャー初優勝。同学年でツアー4勝の古江彩佳に祝福され「いつも仲間に刺激をもらっている」と感謝した。
プレー中は「田仁智さんが優勝したから私も優勝したいと思いながら」回った。「テンポが良く、堂々とした姿が好き」とアマチュア時代から憧れ、昨年末の全米女子オープンでは一緒に練習ラウンドして英語で話しかけた。15年の田、16年トンプソン(米国)、19年渋野日向子と茨城GC東Cの歴代覇者は後に海外メジャー女王へ飛躍した。優勝で3年シードを手にし「私も海外メジャー優勝が目標。早く(田に)近づきたい」と決意を強くした。
賞金ランク6位に浮上したが「まだまだ試合がある。トップ10の回数を増やしたい。まずは今年、複数回優勝して賞金女王に少しでも近づけたら」と謙虚に語った。(岩原 正幸)
▼生まれとサイズ 2000年8月4日、大阪・堺市生まれ。20歳。150センチ、50キロ。家族は両親と姉と弟。
▼戦歴 5歳からゴルフを始め、大商大高1年時の16年、ツアーデビュー戦の日本女子オープンで6位。17年からナショナルチーム。18年アジア女子アマ2位。19年秋のプロテストに日本人最上位の2位で一発合格。
▼得意クラブ 9アイアン。ドライバーの平均飛距離は230ヤード超。
▼憧れの選手 宮里藍さん、田仁智。
▼好きな言葉 「日々成長」。ゴルフノートには良かった点を書き込む。
▼推しメン GENERATIONSが好きで、白濱亜嵐のファン。