松山英樹の強さの秘密は「継続力」 目沢秀憲コーチ「ずっと同じ練習して、同じ日々を過ごせる」 20日全米プロ開幕


 米男子ゴルフのメジャー第2戦、全米プロ選手権は20日から4日間、サウスカロライナ州キアワアイランドGRで行われ、マスターズ王者・松山英樹(29)=LEXUS=が出場する。スポーツ報知ではメジャー連勝を目指す松山への期待と強さの秘密を全3回で連載。第1回は今年1月にプロ生活で初のコーチとなった目沢秀憲氏(30)が絶賛する“継続力”。(取材・構成 岩原正幸、宮下京香)

 1月にコーチに就任した目沢氏は、毎日のように松山と意見交換を重ねてきた。アジア人初のマスターズ王者になったその強さは“継続力”にあると分析した。この日、現地で合流した同コーチは「自分を信じて、ずっと同じ練習をして、同じ日々を過ごせるのが強さ」。過去のメジャー大会やツアーでも納得いくまで球を打ち続け、ツアー屈指の練習量を誇る。

 誰よりも自分に厳しく、一切妥協を許さない姿勢がようやく報われたのが「最初の集大成」と位置づけた4月のマスターズだった。優勝自体も17年8月のブリヂストン招待以来、3年8か月ぶり。目沢氏は歴史的快挙の瞬間を18番グリーン脇で見届けた。松山と抱き合い「本当にうれしかった。信じてきたものが裏切らなかった」と感慨に浸った。

 出会いは昨秋の米ツアー。ゴルフやスイングの話をする中で意気投合した。コーチを依頼された時の心境を「夢の舞台だったPGAツアーが目標に変わりドキドキした。本当に行けるんだなって」と振り返った。近くで見る松山の一面を「周りが思っている姿とは違う。表彰式でグリーンジャケットを着てガッツポーズした、あの笑顔が僕らがよく見る表情。そういうのが少しでも伝わって良かった」と明かした。

 自身は選手に対しアイデアを提示していく指導法だ。「もともと、自分で考えられる選手が周りにいてくれる。本当に人に恵まれている」と感謝した。スイングやパッティングで、測定器を使いデータ分析をしながら修正を重ねた。「自己認識と実際に起きることが合うようになるまでが難しい」と語り、3か月近くの取り組みで、松山本人の感覚と数字のズレが少しずつ一致してきたことが成果として表れた。

 今週の全米プロでも、メジャー連勝に挑む松山をこれまで同様にサポートする。「みんなでまた一つの目標に向かいたい。ああいうふうに喜べる瞬間が早く来たらうれしいし、回数を増やせたら。結果的にいろんな人にいい影響を与えられると思う」。穏やかな口調で、マスターズのような歓喜の再現を望んだ。

 ◆目沢 秀憲(めざわ・ひでのり)1991年2月17日、東京都生まれ。30歳。日大ゴルフ部出身。大学を卒業後、語学留学のために渡米。米国のレッスンプロの資格「TPI」を取得して帰国。2016年にアマチュアに向けたレッスンを開始。17年から国内女子ツアー1勝の河本結のコーチとなる。今年1月から松山英樹と契約し、ツアーに帯同する。

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