【三觜喜一が作る故障しないジュニアのスイング】打ち足りないくらいで十分


 私のスクールでは、球を打つよりも体作り、運動神経のいい子を育てることに主眼を置いているということは、前の回でお話ししました。そのため、練習時間もトレーニングに割く時間のほうが長くなります。

体の使い方を身につけたレッスン生のスイングは、バランスと柔軟性に富んでいる

体の使い方を身につけたレッスン生のスイングは、バランスと柔軟性に富んでいる

 1回のレッスンには、約2時間半かかります。練習内容はまず体作りからで、ラダートレーニング(2ステップ、3ステップ、バックステップ)を20分、コンディショニングトレーニング(ローカル筋トレーニング=体幹を鍛えるトレーニングです=、股関節運動、キャットバック、アームシザーズ)を20分、膝立ちボール投げが左右30球、うねりドリルが15分、かご練習が20分です。

 その後、ようやくボールを打ちますが、アプローチ練習が25分、ショット練習(7アイアン)が25分、ドライバーが10球、アプローチ対決が5分。最後にあいさつして終了です。

 一見して分かる通り、あまり数は打たせません。小学生ぐらいまでは、連続して100球以上ボールを打たせると、腰を痛める可能性が非常に高くなります。打席練習でも、アプローチ、ショット、ドライバーの間に、必ず5分間の休憩を入れます。ドライバーショットは一番、体に負担がかかるので、10球に制限しています。アプローチを入れても全部で200球ぐらいでしょうか。子供たちにとっては打ち足りないかもしれませんが、この時期はまず、体作りと効果的な体の使い方を覚えることが優先です。

 スクールは週に4回で、残りの日も子供たちは自主的に練習しているようです。その時も打ち過ぎて体を痛めないように、十分に注意させています。それには親の理解が絶対に必要です。次回は、ジュニアゴルファーを指導するに当たり、保護者や指導者に頭に入れておいてほしいことをお話しして、連載の最後にしたいと思います。(取材、構成・鈴木憲夫)

 ◆三觜 喜一(みつはし・よしかず)1974年12月29日、神奈川県藤沢市生まれ。東京ゴルフ専門学校卒。PGAティーチングプロA級。OTTO CITTA(オットチッタ)ゴルフラボ&ラウンジ(世田谷区船橋2の7の6、TEL03・6411・3434)でレッスンを担当。小田原市では15年間、ジュニアの指導に当たっているほか、女子プロゴルファーの辻梨恵、植田希実子、和田みな子らも指導。

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