【三觜喜一が作る故障しないジュニアのスイング】下半身から上半身とクラブヘッドに連動させる


 3回にわたってアドレス時の「背中のアーチ」と「肩をはめる」ことの重要性を説明してきました。いよいよスイングに移るわけですが、ゴルフクラブの末端であるクラブヘッドを効率良く、かつ、素早く振るためには、下半身の動きを上半身に伝え、その動きを最終的にクラブヘッドに伝えるような連動性が重要です。その連動性を体感させ、身につけさせるために私のスクールではあるキネマティックシークエンスを取り入れています。

 

体を上下にうねらせる生徒たち。高校1年の高木優奈さん(左)は神奈川県アマの最年少チャンピオン。中1の天野真里奈さん(右)も神奈川県ジュニアを制したことがある

体を上下にうねらせる生徒たち。高校1年の高木優奈さん(左)は神奈川県アマの最年少チャンピオン。中1の天野真里奈さん(右)も神奈川県ジュニアを制したことがある

  「うねりドリル」と呼んでいるのですが、まず、足をドライバーのスタンス幅程度に開きます。上半身を少し前に倒し、両手はだらりと下げます。スクワットを始める時のような姿勢です。ここから、〈1〉右膝を曲げて、足を踏み込むと同時に〈2〉右腰、右胸が引き上げられ、〈3〉結果的に、右肩と右肘が上がります。右側の上半身が上がった時には、下半身が沈むようなイメージです。その時の左半身は、ニュートラルな状態です。次は左半身の動きになり、右、左、右…と連続した動きになります。体の両側を上下にうねるように使うために、「うねりドリル」と呼んでいます。

 このドリルで重要なのは、下から順に、ということです。腕だけをパッと上げるのではなく、下の動きが順々に上につながっていく。足の蹴りの力で、徐々に腰、胸、肩、肘と動いていくイメージです。

 もう一つ、大事なのが縦方向への体の使い方です。スイングは回転運動と思われがちですが、腕は上下=縦方向に動きます。腕を支える腰、足も「回転」といういわば平面的な二次元の動きではなく、縦に動きながら回るという三次元の動きをしています。「うねりドリル」は、この縦方向への動きを忘れないための練習でもあります。私のスクールではこのドリルを徹底的に行っています。(取材、構成・鈴木 憲夫)

 ◆三觜 喜一(みつはし・よしかず)1974年12月29日、神奈川県藤沢市生まれ。40歳。東京ゴルフ専門学校卒。PGAティーチングプロA級。OTTO CITTA(オットチッタ)ゴルフラボ&ラウンジ(世田谷区船橋2の7の6、TEL03・6411・3434)でレッスンを担当。小田原市では16年にわたり、ジュニアの指導に当たっているほか、女子プロゴルファーの辻梨恵、植田希実子、和田みな子らも指導している。

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