
小学4年頃の中島啓太(右)と吉岡徹治氏(吉岡氏提供)
男子ゴルフのアジア・パシフィックアマチュア選手権は6日、UAEのドバイ・クリークG&ヨットC(パー71)で最終ラウンドが行われ、世界アマランク1位の中島啓太(日体大3年)は首位で出て68で回り、通算14アンダーで並んだ香港の選手とのプレーオフを2ホール目で制して優勝した。
松山英樹、金谷拓実に続く日本人アマ3人目の優勝を達成し、来年のマスターズ(4月7~10日、米ジョージア州オーガスタナショナルGC)出場権を獲得した。中島の代々木高ゴルフ部時代の恩師で、アジアジュニアゴルフ協会代表理事の吉岡徹治氏がスポーツ報知の取材に応じ、教え子の快挙を祝福した。
吉岡氏はインターネット中継で中島の活躍を見守った。「言葉にならないですね。まさかマスターズに行くとは。小さい頃からの夢がかなって、本当にうれしい」。
中島とは小3のころから交流があり、中学生になると台湾、フィリピン、マレーシア、タイなど多くの大会に出場させた。今回プレーオフを戦った18番は左右に池がある難しいホールだが、タイ・アマチュアのコースに似ていた。「日本ではなかなかないロケーションですが、彼は慣れていたと思いますよ」。海外ではあえて1人で行動させ、なるべく現地のものを食べるようにした。張り出されている英語のルールを写真に撮って覚え、自然と語学も身についた。
昨年も吉岡氏が主宰するジュニアのレッスン会に顔を出し、不調だった選手と一緒に回ってくれた。「中島も(吉岡氏の教え子だった石川)遼と一緒に回って育てられたので、いつも『僕で良かったら』と言ってくれます。こうやって世代の絆が続いていくことが本当にうれしいですね」。
マスターズはテレビで応援する。以前は物理の教員をしていたため、月曜の朝は授業があり最後まで見られなかった。「今は時間があるので、堂々とプレーする姿を楽しみにしたいですね」と目を細めた。