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優勝杯を掲げる古江彩佳
◆女子プロゴルフツアー TOTOジャパンクラシック 最終日(7日、滋賀・瀬田GC北C=6616ヤード、パー72)
単独首位で出た賞金ランク2位の古江彩佳(21)=富士通=が3バーディー、ボギーなしの69で通算16アンダーで逃げ切った。最近4戦3勝で、今季6勝目&年少2位の21歳164日での通算7勝目。賞金女王争いは9月時点で7248万4074円差あったが、ツアー史上最大の逆転に向け、稲見萌寧(22)=都築電気=との差を396万8474円に縮めた。稲見は70で、3打差の2位でランク首位を守った。
ツアー史上最大の逆転女王へ、得意な季節で古江が躍動した。稲見との最終組対決を2打差首位で出ると、2、6番でともに3メートルを決めて伸ばした。稲見が2メートルにつけた16番は4メートルのバーディーパットを沈め、「3打差あっても向こうもチャンスについていた。しっかり取れた」と、勝負を決める一打に安どした。
最近4戦3勝の絶好調ぶりを「うまく集中できている」と分析する。「フェアウェー(FW)に置かないと私のゴルフは始まらない」との言葉通り、最終日のFWキープ率は100%。唯一、4日間60台を並べる安定感が際立った。
高額の優勝賞金3300万円を加え、9月の第3週から7週で約6850万円も差を縮め、ついにランク首位の稲見と約397万円差にまで肉薄。「差がついてる時はもう(賞金女王は)無理かなと思ったけど、ここまで来られてうれしい」と声を弾ませた。間髪を入れず、「これで満足せずに自分のベストを尽くしたい」と続けた。
これまでイ・ボミ(15年、32試合出場)が持っていた、2億3049万7057円のシーズン最高賞金額を稲見とともに超えた(古江は43試合)。通算7勝も05年宮里藍の19歳330日に次ぐ、年少2位の記録だ。
古江は自身が生まれた2000年から6年連続で賞金女王に輝いた不動裕理にあこがれる。今季は残り3戦。昨年は優勝、優勝、2位と好相性の大会が続く。「良いイメージがある」とほほ笑んだ。09年に横峯さくらが9月時点の4300万円超の賞金差をひっくり返した、歴代最多差からの逆転女王も視野に入った。
シーズン終了後には来季米ツアー出場権をかけた最終予選会(12月上旬、米国)が控える。「1位というのは(見ている人の)目に焼きついてくれると思う。それ(逆転)ができれば、良い状態で向こう(米国)に行ける」。19年秋のプロ転向からわずか2年。本格参戦したルーキーシーズンでの史上初の女王誕生へ、全7勝を9~11月に挙げる“秋女”が猛チャージする。(岩原 正幸)