石川遼、選手会とJGTOの副会長職を辞任する意向示す 開幕「三井住友VISA太平洋マスターズ」は辞退


「三井住友VISA太平洋マスターズ」の出場辞退を発表した石川遼

「三井住友VISA太平洋マスターズ」の出場辞退を発表した石川遼

 男子ゴルフの石川遼(30)=カシオ=が9日までに一部報道で、米国から帰国後の適切な隔離措置をせず、一般客が利用するゴルフ場で練習していたと報じられた。これを受けて同日、三井住友VISA太平洋マスターズ(11日開幕、静岡・太平洋C御殿場C)の出場を辞退した。マネジメント会社を通じ「一部至らない点があった」と釈明し、選手会と日本ゴルフツアー機構(JGTO)で務める副会長職を辞任する意向を示した。今後、JGTOから処分が下される見通しだ。

 石川はこの日、自主隔離期間中の行動を謝罪した。週刊誌「FLASH」の報道によると、米国から帰国後14日以内で隔離期間中の10月27日に、一般客が出入りする千葉県内のゴルフ場でラウンドし、その後複数人で食事等をしている姿が目撃されたという。

 先月22日(米国時間)までは米下部ツアーの来季出場権を懸けた2次予選会(カリフォルニア州)を戦ったが、最終予選会への進出を逃した。同24日の帰国時、空港の検疫で待機先として登録した当該ゴルフ場で健康チェックを毎日受けていたとしたが、マネジメント会社を通じ「一部至らない点があったことを、おわび申し上げます」とコメントした。「一部」がどれを指すのかは触れていない。

 一連の行動が、ツアーが定める新型コロナ感染症対策特別トーナメント規定に一部抵触するとの指摘を受け、今週の三井住友VISA太平洋マスターズの出場辞退を表明した。石川がこの日、試合会場に姿を見せることはなかった。また、選手会副会長及びJGTO副会長のいずれの理事職も辞任する旨を書面で提出し、「ファンの皆様にはご心配をおかけします」と陳謝した。

 今後の試合出場に関してはJGTOに判断を委ね、「(裁定)結果を受け入れる所存です」とした。JGTOと選手会はそれぞれ本人に事実確認を行った。処遇については「近々、臨時理事会を開催し、最終的に決定する予定」(同機構)と近く発表する見通しで、次週のダンロップフェニックス以降、残り3戦の出場は未定となっている。

 JGTOは青木功会長名で「役員による軽率な行動によりお騒がせし、ご迷惑をおかけしておりますことをおわび申し上げます」と声明を出した。選手会は時松隆光会長、池田勇太副会長兼事務局長、小鯛竜也副会長名で談話を発表。「今回の出来事を戒めとするべく、選手各人が今一度自分を見つめ直し、気を引き締めて参る所存です」と再発防止の徹底を誓った。

 ◆厚生労働省が定める帰国後の隔離ルール 帰国後は出国前72時間以内に受けた検査の証明書の提出が必要。また、14日間は公共交通機関の不使用、自宅や宿泊施設で待機し、他者と接触しない。毎日、位置情報と健康状態の報告を行う。石川は6月20日閉幕の海外メジャー、全米オープン(米国)から帰国後14日以内だったが、7月1日開幕の国内メジャー、日本プロ選手権(栃木)に東京五輪補欠3番手の強化指定選手としての特例で出場している。

 ◆石川 遼(いしかわ・りょう)1991年9月17日、埼玉・松伏町生まれ。30歳。6歳でゴルフを始め、杉並学院高1年時の2007年5月にツアー初出場のマンシングウェアKSBカップで15歳8か月3日の世界最年少V(当時)。08年1月にプロ転向。09年に世界主要ツアー最年少18歳2か月19日で賞金王に。13年から米ツアーに5季参戦。17年に国内復帰後、19年に3勝し通算17勝。家族は妻。175センチ、70キロ。

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