牧野裕氏、前日に降った雨の影響でグリーンが軟らかく、コースをよく知る選手ほどギャップに苦しんだ


18番、ホールアウトし星野陸也(中央右)とタッチする稲森佑貴(同左)。通算4アンダー2位(カメラ・山崎 賢人)

18番、ホールアウトし星野陸也(中央右)とタッチする稲森佑貴(同左)。通算4アンダー2位(カメラ・山崎 賢人)

◆男子プロゴルフツアー 最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ 第1日(2日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70、報知新聞社主催)

 通算2勝の賞金ランキング5位、稲森佑貴(27)=国際スポーツ振興協会=が、逆転賞金王への道をズバッと切り開く1打差2位の好発進を決めた。5バーディー、1ボギーの4アンダー、66をマーク。優勝が最低条件の賞金王争いでの大勝負へ新たなパターへの変更も検討したが、慣れ親しんだエースパターを選びグリーン上で実力を示した。香妻陣一朗(27)=国際スポーツ振興協会=が5アンダーで単独首位のスタートを切った。プロゴルファーの牧野裕氏が、初日のプレーを総括した。

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 大会前日に激しく降った雨の影響で、ツアー屈指の硬くて速いグリーンが軟らかく、重くなっていた。コースをよく知る選手ほど、初日はそのギャップに苦しんだ。ピン位置も例年の最終日の難しい位置が多く、混戦を生み出す要因となった。

 ともに優勝すれば、逆転賞金王の可能性を残す稲森と星野は、同組で互いに4アンダーの好位置で最終18番を迎えた。稲森は右横から6メートルのパーパットを沈めてのパー。慣れたエースパターから一度、他のパターを試してエースに戻すと、いい結果を残した時の感覚がよみがえることが多い。

 星野はグリーン手前ラフから2打目の寄せがピン奥2メートルへ。例年なら直角に落ちてくるはずのパーパットが途中で止まり、3パットのダブルボギー。急傾斜の18番グリーンの速さと怖さを知っているがゆえ。それでも3差7位は優勝を狙うには十分な滑り出し。第2日は気持ちを切り替えて頑張ってくれると思います。

 最終組の賞金ランク1位のC・キム、同2位の木下、同3位の金谷は賞金王争いの重圧で3人とも足踏みした。1973年のツアー制施行後最多5人に賞金王の可能性が残る今大会。最終日の終盤数ホールまで、誰が賞金王になるか分からない盛り上がる混戦を期待したい。(牧野裕=プロゴルファー)

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