中島啓太、1歳めいの前で大会初アマVと94年ぶりメジャー制覇へ4打差9位の好スタート


18番、パーパットを決めギャラリーの拍手に応じる中島啓太。通算1アンダー9位(カメラ・山崎 賢人)

18番、パーパットを決めギャラリーの拍手に応じる中島啓太。通算1アンダー9位(カメラ・山崎 賢人)

◆男子プロゴルフツアー 最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ 第1日(2日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70、報知新聞社主催)

 石川遼、松山英樹に続く大会史上3人目のアマチュア出場を果たした世界アマランク1位の中島啓太(21)=日体大3年=は69で回り、大会初のアマVへ4打差9位の好スタート。アマは獲得賞金がないため賞金王争いの“台風の目”となる可能性が出てきた。

 中島が最終戦の開幕を彩る快音を響かせた。1番で、午前9時の第1組で競技開始を告げるオープニングショットを放ち、約200人の観客から大きな拍手を浴びた。残り125ヤードから左奥50センチに寄せるスーパーショットでバーディー発進。アマでは2007年大会の石川、11年大会の松山に並ぶ69。上々の滑り出しに「スタートでいいバーディーを取れて良かった。アンダーで回れてホッとしている」と胸を張った。

 11月のアジア・パシフィックアマ選手権Vから帰国後、胃腸炎でダウン。食事がとれず、体重が3・5キロ減りショットの感覚も狂った。ラウンド中の補食などで体重を2キロ戻すと、この日の8番と16番はともにショットで右手前3メートルの好機につけてバーディー。「今日はショットが良くて。体もキレていた」。10月の米ツアー以来、応援に来てくれた長姉の娘・すずちゃん(1)の前で奮闘した。

 21歳の「おじさん」は、めいがかわいくて仕方ない。すずちゃんに「ゴルフをやらせたい」とアンパンマンの絵柄のプラスチック製のクラブをプレゼント。自宅では2人で並んでパター練習に励むこともある。2人の姉がおり「甘えん坊」と自負するが、母・美知子さんは「末っ子なので普段は自由気ままだけど、すずの前ではお兄ちゃんぶる(笑い)。よく面倒を見てくれる」と目を細めた。

 アマチュアでの大会初V&1927年日本オープンの赤星六郎以来、94年ぶり2人目のメジャー制覇が懸かる。仮に中島が優勝の場合、アマは賞金を獲得しないため、繰り下がり2位がV賞金と同額の4000万円をつかむ。つまり、賞金王争いの“キーマン”となりうる。「自分の力を出し切れるように頑張りたい」。今大会唯一アマで出場のダークホースが最終戦を盛り上げる。(宮下 京香)

 ◆07年大会の石川と11年大会の松山の初日VTR

 ▽07年大会 石川は17番終了時点で5バーディー、2ボギーと首位に並んだ。18番でダブルボギーをたたいたが、1アンダーの69で3打差3位と好発進を決めた。

 ▽11年大会 松山は5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの69。1アンダーで3打差12位と上々の滑り出しを見せた。

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