宮里優作「だてに9回出ていない」41歳がこの日最高の「65」…史上7人目3度目優勝へ突き進む


15番、厳しい表情でコースを見る宮里優作(カメラ・竜田 卓)

15番、厳しい表情でコースを見る宮里優作(カメラ・竜田 卓)

◆男子プロゴルフツアー 最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ 第2日(3日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70、報知新聞社主催)

 9年ぶり3度目出場の上井邦裕(39)=三好CC=が、ぎっくり腰を発症も、痛み止めを服用して史上5人目となる今大会でのツアー初優勝に向けて5打差の5位に浮上した。16位で出て4バーディー、ボギーなしの66。パー3の今季最難関ホールとなった最終18番でこの日唯一のバーディーを奪い、通算4アンダーでプロ17年目での悲願を射程に入れた。宮里優作(41)=フリー=はベストスコア65で回り、9アンダーの首位に浮上し、4年ぶりの大会3勝目へと前進した。

 長尺パターでグリーン上のストレスがない。宮里は1番で4メートルのバーディーで発進すると、6番から3連続バーディー。後半も5~6メートルを沈めた。この日ベストの65で2位に3差の単独首位に立ち、「グリーン上(のプレー)が変わるだけでこんなにゴルフが変わるのか」と声を弾ませた。

 41歳のベテランは大会史上7人目の3勝目を狙う。「だてに9回出ていない(笑い)」。不規則な風で他選手がなかなか伸ばせない中、「このコースは戦略的に攻めていかないといけない」と経験を生かした。無理にピンを狙わずに上りのパットを残す頭脳的なプレーで「パッティングが決まり、救われた」とビッグスコアにつなげた。

 5年以上前に3試合使ったという長尺パターを2週前に再投入後、4位、2位と絶好調だ。今季獲得賞金約3384万円のうち1980万円をこの2戦で稼ぎ、賞金ランク26位で3年ぶり日本シリーズに滑り込んだ。13年大会は、今大会2日目を終えて3位の43歳・谷原と優勝争いし、涙の初V。ともに近年、欧州ツアーを経験した40代が最終戦を熱く盛り上げている。

 13、17年に続く4年周期での大会制覇を目指す“シリーズ男”は「まだショット全般が良くない。少しずつ修正し、最終日に合わせたい。この2日間のようにリズム良く回れれば」と冷静そのものだ。この冬に出産を控える妹の藍さん(36)にも「いい報告ができたらと思います」と、エールを忘れなかった。(岩原 正幸)

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