中島啓太 5位急浮上!日本人アマ初の米ツアーV&松山超え史上最年少V見えた


◆米男子プロゴルフツアー ソニー・オープン 第2日(14日、米ハワイ州ワイアラエCC)

 アマチュアの中島啓太(21)=日体大3年=が64をマークし、通算9アンダー5位で予選を突破した。米国開催の米ツアーに初出場の若武者は7バーディー、1ボギーで6打差の“圏内”に浮上し、日本人アマ初となる米ツアー制覇の快挙も視界にとらえた。65をマークした松山英樹(29)=LEXUS=も5位浮上。ラッセル・ヘンリー(米国)が15アンダーで単独首位。

 世界アマチュアランク1位の逸材が、堂々と上位争いに加わった。10番から出た中島は1つ下げて迎えた17番パー3。第1打をピン奥3メートル半につけて初バーディーを奪取。勢いに乗ると、後半は5つのバーディーを奪ってリーダーボードを駆け上がった。米国開催の米ツアー初戦で64をたたき出し40位から5位に急浮上。「成長を感じるラウンドだった」と胸を張った。

 昨年9月の日本ツアー、パナソニックオープンで松山らに続く1973年以降で5人目のアマVを成し遂げた。その素質は若手NO1と名高く、昨年10月に千葉で開催されたZOZOチャンピオンシップ(28位)で米ツアーに初出場し、今大会が2戦目。この日は金曜日にアロハシャツを着るハワイの慣習「アロハフライデー」を意識し、パイナップル柄のシャツでプレー。伝統ある大会で、「昨日、会場の店で買った。文化も楽しんでいる」と南国気分も満喫している。

 昨年11月のアジア・パシフィックアマ選手権を制し、今年のメジャー、全米OP、全英OP切符に加え、マスターズの出場権もつかんだ。今秋のプロ転向も明言する有望株。タイガー・ウッズ(米国)に憧れ、6歳でクラブを握った。将来は「世界中で応援される選手になりたい」と米ツアー本格参戦が目標。ゴルフとともに英会話力も磨き、この日も海外メディアの取材は英語で対応した。

 米ツアーでアマ優勝となれば、日本男子初となり、世界でも91年1月にノーザンテレコムオープンを制したフィル・ミケルソン(米国)以来。さらに14年6月に22歳でメモリアル・トーナメントで初優勝を挙げた松山を超える日本人最年少Vの快挙だ。22年の自身初戦でいきなり偉業を成し遂げ、新スター誕生となるか―。「日本から多くの応援をもらっている。あと2日間やり切りたい」と端正なマスクを引き締めた。

 ◆ソニー・オープン 1928年に「ハワイアン・オープン」として現在と同じハワイ州ワイアラエCCで初開催された。29年大会には、宮本留吉と安田幸吉が日本人として海外の試合に初出場した。65年に米ツアーとなり、83年大会では、青木功が1打ビハインドで迎えた最終日の18番で逆転のチップインイーグル=写真、共同=。劇的な締めくくりで、日本人初の米ツアー制覇を成し遂げた。99年にソニー・グループが大会を協賛し、現行の「ソニー・オープン」に名称が変更された。

 ◆中島 啓太(なかじま・けいた)2000年6月24日、埼玉・加須市生まれ。21歳。6歳でゴルフを始め、15年にアマチュア日本代表入り。東京・代々木高3年時の18年にオーストラリアアマ選手権で日本人初優勝。日体大に進学し、昨年8月、日本男子3人目の世界アマランク1位に浮上。憧れはプロ野球・巨人の菅野智之。178センチ、75キロ。家族は両親と姉2人。

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